2014.07.28

ゲリラ豪雨で大波乱。今年の鈴鹿8耐を制したのは?

  • 西村章●構成・文 text by Nishimura Akira 竹内秀信●写真 photo by Takeuchi Hidenobu

 8時間もの長きに渡って繰り広げられる苛酷な戦いの中では、誰も予想しえなかったことがいくつも発生する。そして、それらの艱難(かんなん)を乗り越えてなお、ゴールへ向かって進んで行く選手やチームスタッフの姿を目の当たりにしたとき、人はこのレースの虜(とりこ)になるのだろう。

37年の歴史で初めて大雨によってスタート時間が遅延した今年の鈴鹿8耐 37回目の夏を迎えた2014年鈴鹿8時間耐久ロードレースは、例年のレースなら考えられないようなことが次から次へと発生した。木曜に始まったレースウィークは、金曜の公式予選から土曜の予選上位10チームによるタイムアタック「トップテントライアル」まで、『真夏の祭典』の名に相応しく、照りつける強い陽射しの中で行なわれた。決勝日(日曜)の天候も、当然のようにこのうだるような暑さが続くかと思われたが、案に相違して当日の気象予報では正午前後に雨の可能性が報告されていた。決勝レースは11時30分に始まり、日没後の19時半に終了する。決勝スタート時刻の11時30分が近づくにつれ、雲行きは次第にあやしくなり、ライダーたちがル・マン式スタート(※)のグリッドについたときには、激しい雨が降り始めた。

※ル・マン式スタート=エンジンを切ったマシンをコース端に予選順に並べ、スタートの合図で反対側の道路脇に待機していたライダーが駆け寄り、エンジンをスタートさせて走って行く方式。

 いわゆるゲリラ豪雨のような状態で、競技の安全性に対する配慮からスタート進行は遅延することになり、レース開始は12時35分へと改められた。終了時刻はルール上、19時30分から動かすことができないため、今年の「8耐」は8時間ではなく、6時間55分で争われることになった。ちなみに、このような事情でレースのスタートが遅延するのは、37年の歴史でも今回が初めてのことだ。