【F1】4戦目で今季初勝利。王者ベッテルは本当に目覚めたのか?
バーレーンGPで今季初勝利を挙げたレッドブルのセバスチャン・ベッテル(中央)
レッドブルの王者セバスチャン・ベッテルが、開幕から4戦目にしてようやく復活勝利を遂げた。
これまでの低迷の理由、そしてこの復活劇の理由はなんだったのだろうか?
まず着目すべきは、今年は各チームのマシン性能差が極めて小さくなっているということだ。ベッテルは次のように語る。
「今年はマシン性能がものすごく接近していて、わずかな差がレース結果を大きく左右してしまう。シーズン開幕時点ではマクラーレンが最速だと言われていたけど、(決勝がある)日曜日には毎回違う結果が出ているんだ。彼らが最速チームのひとつであることは間違いないけど、正しいタイヤの選択と、その正しい扱い方、正しい戦略、正しいセットアップ、すべてをうまくまとめなければ、結果を手にすることはできないんだ」
上海での中国GPやバーレーンGPの予選では、コンマ数秒差の中に10台以上がひしめき合う接戦になった。つまり、わずかなミスで順位が大きく下がり、昨年の上位チームが予選Q1やQ2で敗退する可能性もあるということだ。
決勝でも同じことが言える。ささいなミスで順位を落とすと、混戦の集団の中で走ることになる。そうなれば、前走車の乱した気流の中を走ることになり、ダウンフォースが安定しない。コースの中で速く走ることができる箇所が異なってくれば、走りのリズムも乱されることになる。
開幕3戦で勝利できずにいたレッドブルも、予選で前に行けず、決勝では渋滞に引っかかって本来のペースが発揮できないパターンにハマっていたのだ。
ライバルであるジェンソン・バトン(マクラーレン)もこう証言している。
「予選結果によってレース展開は大きく変わりうる。レッドブルだって、流れが良ければ優勝争いに絡む力はあるのに、悪ければ4、5位争いに沈んでしまう。その一方で、ザウバーでさえも、上海の予選結果なら表彰台争いは可能だ。チーム間の差は極めて小さいよ」
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