2012.04.16

【F1】不本意な10位。
可夢偉とザウバーに何が足りなかったのか?

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

中国GP決勝で3番手からスタートしたものの、10位入賞に終わった小林可夢偉。

「今週はセットアップがうまくいって調子が良かったし、今日は本当にクルマが決まっていたので、一発アタックも決められました。4位っていうのは想像以上でしたけどね」

 中国GPの予選で4番手に飛び込んだ小林可夢偉は、やや興奮気味にそう語った。

 チームから無線で結果を知らされた可夢偉は「本当に?」と聞き返したほど。さらに、ギアボックスを交換した予選3番手のルイス・ハミルトン(マクラーレン)の降格ペナルティによって、可夢偉は決勝で3番グリッドからのスタートを手に入れた。それもジャーナリストから教えられて初めて気づくほどの、予想外の好結果だった。

「みんなは喜べるから良いけど、僕は明日レースしなきゃいけないんで。レースが終わってからじゃないと喜べないですよ(苦笑)」

 そう言いながらも、可夢偉は自信ありげだった。

「チャンスは大きいし、できれば表彰台を狙いたい」

 そこまで言った。それだけマシンは良い状態に仕上がっていたのだ。

 しかし、決勝ではスタートで出遅れてしまった。それが大きく響き、可夢偉はズラリと続く隊列の中で本来のペースが発揮できず、思うようなレースができなかった。

 スタートの手順そのものには問題はなく、チームの分析に基づいて指定されたエンジン回転数とクラッチマップでスタートを切ったところまでは良かった。しかし、F1の前座であるサポートレースの際に路面に漏れていたオイルが影響したのか、その先の加速が伸びなかった。

「シグナルが消えた瞬間の動き出しは良かったんですけど、その後に全然伸びなくて。スタートのセッティング自体はチームメイトと同じだし問題はなくて、僕の方がリアクションタイム(反応時間)は速いくらいだったんで、普通なら僕の方が良いスタートが切れたはずだったんですけどね。その後のポジションどりも厳しかった」

 いつものザウバーなら、マシンのタイヤへの優しさを最大限に生かし、ライバルよりも1回少ないピットストップ回数で順位を上げる作戦に出る。ある意味では、”待ち”のレースだ。