波乱含みのエリザベス女王杯。2012年の再現狙う「2頭の穴馬」

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • photo by Nikkan sports

 11月15日に行なわれるGIエリザベス女王杯(京都・芝2200m)。本来の位置づけは、世代を超えた「最強牝馬決定戦」とされるが、今年は少し事情が違っている。

 というのも、今年は"目玉"となる有力牝馬が、相次いでエリザベス女王杯を回避したのである。その一頭は、今年の牝馬二冠(オークス、秋華賞)を遂げたミッキークイーン(牝3歳)。3歳牝馬のエースは、エリザベス女王杯ではなく、GIジャパンカップ(11月29日/東京・芝2400m)への挑戦を表明した。

 そしてもう一頭、昨年のGI秋華賞(京都・芝2000m)を勝ったショウナンパンドラ(牝4歳)も、同じくジャパンカップを選択。近走は、牡馬相手のGIで健闘していただけに、牝馬限定のエリザベス女王杯に出れば、確実に優勝候補となる存在だった。

 これらのライバルが回避したことによって、一気にクローズアップされるのが、ヌーヴォレコルト(牝4歳)とラキシス(牝5歳)である。

 昨年のGIオークス(東京・芝2400m)を制したヌーヴォレコルトは、今春には中山記念(3月1日/中山・芝1800m)を牡馬相手に快勝。その実力の高さは誰もが認めるところだ。最近は、白星からやや遠ざかっているものの、前走のGIIオールカマー(9月27日/中山・芝2200m)では2着と復調気配を示している。

 片や、昨年のエリザベス女王杯の覇者であるラキシスも、今春は一線級の牡馬たちを大阪杯(4月5日/阪神・芝2000m)で撃破。牝馬では明らかにトップクラスの存在だ。前走の京都大賞典(10月12日/京都・芝2400m)でも、強豪牡馬相手に4着と力のあるところを見せている。

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