『ウマ娘』では第1期アニメの主人公 天才ジョッキーの悲願を実現したスペシャルウィーク (3ページ目)
向正面でも動きはなく、レースは3〜4コーナーへ。1番人気の人馬は徐々に外へ持ち出し、来たるべき最後の追い出しに備えた。直線に入ると、すかさずライバルのセイウンスカイが先頭へ。スペシャルウィークも馬群の合間を縫って一気に加速した。
印象的だったのは、ここから見せたスペシャルウィークの強さだ。トップに立ったセイウンスカイを射程圏に入れたかと思うと、並ぶ間もなくライバルを抜き去った。アナウンサーの「並ばない、並ばない!」という絶叫がこだまする。
そのまま一気に他馬を突き放し、最後は2着に5馬身差をつけてゴールへと飛び込んだ。武豊騎手は、ようやくつかんだ夢の感触を確かめるように、馬上で何度もガッツポーズを見せたのだった。
武豊騎手は翌年もこのレースを制したほか、現在までに通算6回のダービー勝利を経験している。すべてが格別の勝利に違いないが、それでもやはり、初めての戴冠は一生忘れることのない瞬間だったのではないか。そのタイトルを一緒につかんだ相棒こそ、スペシャルウィークだったのである。
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