注目のトライアルを前にしてクラシックで有望とされる「3歳牝馬ランキング」
3歳牝馬ランキング(前編)
1勝クラスの紫菊賞を勝って、阪神JFでも2着と奮闘したビップデイジー photo by Eiichi Yamane/AFLOこの記事に関連する写真を見る 今年の3歳牝馬戦線は、浮き沈みが激しい。
昨年末に行なわれた2歳女王決定戦、GI阪神ジュベナイルフィリーズ(12月8日/京都・芝1600m)を見ても、1番人気のブラウンラチェット(牝3歳/父キズナ)をはじめ、重賞勝ち馬3頭(※外国調教馬は除く)は、いずれもふた桁着順に敗れている。
こうした傾向は年が明けても続いていて、新馬戦で圧巻の走り見せた素質馬や、早々に2勝目を挙げた注目馬などが、その先のオープン、重賞では案外な結果に終わっているケースが多く見られる。
そうなると、この春のクラシックもどうなるかわからない。断然の実績を誇っていても、ちょっとしたことで馬群に沈んでしまう可能性が十分にあるからだ。
ともあれ、そういった状況において、阪神JFを見事に制して2歳女王に輝いたのは、アルマヴェローチェ(牝3歳/父ハービンジャー)。1勝馬ではあったが、前走のGIII札幌2歳S(8月31日/札幌・芝1800m)では牡馬相手に2着と奮闘しており、重賞実績馬が苦戦を強いられた一方で、しっかりと結果を出した。
年が明けてからは、牝馬限定の重賞とリステッド競走がそれぞれ2レース行なわれた。重賞のGIIIフェアリーS(1月12日/中山・芝1600m)はエリカエクスプレス(牝3歳/父エピファネイア)が、GIIIクイーンC(2月15日/東京・芝1600m)はエンブロイダリー(牝3歳/父アドマイヤマーズ)が制覇。リステッド競走の紅梅S(1月18日/中京・芝1400m)はナムラクララ(牝3歳/父アドマイヤマーズ)が、エルフィンS(2月10日/京都・芝1600m)はヴーレヴー(牝3歳/父サトノクラウン)が勝利を飾った。
こうして新たな新星も名乗りを挙げるなか、今春のクラシック、GI桜花賞(4月13日/阪神・芝1600m)、GIオークス(5月25日/東京・芝2400m)に向けて、最も重要視されるトライアルレースがこれから行なわれる。GIIチューリップ賞(3月2日/阪神・芝1600m)と、GIIフィリーズレビュー(3月8日/阪神・芝1400m)、そしてリステッド競走のアネモネS(3月15日/中山・芝1600m)である。
今回はこれら注目の前哨戦を前にして、現時点での3歳牝馬の『Sportiva オリジナル番付(※)』を発表したい。
※『Sportivaオリジナル番付』とは、デイリー馬三郎の吉田順一記者、日刊スポーツの木南友輔記者、JRAのホームページでも重賞データ分析を寄稿する競馬評論家の伊吹雅也氏、フリーライターの土屋真光氏、Sportiva編集部競馬班の5者それぞれが、今春のクラシックを目指す3歳牝馬の、現時点における実力・能力を分析しランクづけ。さらに、そのランキングの1位を5点、2位を4点、3位を3点、4位を2点、5位を1点として、総合ポイントを集計したもの。
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