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【競馬血統予想】ビッグネーム集結のジャパンカップで注目はディープインパクト産駒 出走する2頭の信頼度は? (2ページ目)

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki

 欧州と日本は芝質も路盤も大きく異なるため、両方で結果を残すのは簡単ではないが、アメリカは日本の芝に近い芝質と路盤でスピードが求められる。そのため、アメリカや2000m以下の距離で結果を残しているのは非常に心強い。前述のクエストフォーフェイムも、アメリカでGⅠ2勝を含む3勝という実績はあったが、当時6歳の同馬はピークを過ぎており、調子を崩しての参戦だった。

 それに対しオーギュストロダンはまだ4歳。早くから「今回が引退レース」と決定しており、9月14日のGⅠ愛チャンピオンS(芝2000m)で2着になって以来の実戦だ。管理するエイダン・オブライエン調教師は欧州のみならず、世界各国でGⅠを勝利している競馬史に残る名伯楽だが、ジャパンCへの7頭目の出走にして初めての来日。レース後にはオーギュストロダンの引退お披露目式が予定されており、かなりの勝算を持っての参戦だろう。

 オーギュストロダンは血統を見ても、日本向きのスピードが期待できる血統構成だ。母ロードデンドロンはイギリスとフランスで芝・約1600m~約2000mのGⅠを計3勝。祖母ハーフウェイトゥヘヴンもアイルランドとイギリスで芝・約1600m~約2000mのGⅠを3勝している。このスピード血脈の優秀さが、幅広い距離やさまざまな競馬場で結果を残せている大きな要因だろう。"ディープインパクト最後の大物"に、そのすごさをあらためて感じさせてほしい。

【ジャスティンパレスも有力】

 一方のジャスティンパレス(牡5歳、栗東・杉山晴紀厩舎)も有力だ。昨年のGⅠ天皇賞・春(京都・芝3200m)勝ち馬だが、昨年のGⅠ天皇賞・秋(東京・芝2000m)でもイクイノックスに次ぐ2着と2000mでも結果を残しており、2400mも当然合う条件だ。

 前走の天皇賞・秋は4着と敗れたが、出遅れて遅めのペースとなり展開が合わなかった。最近は後方からの競馬で脚を余すことも多いが、中団より前でも競馬ができる馬なので、うまくゲートを出られれば早めの競馬という戦法もありそうだ。鞍上のC・デムーロ騎手は2週前のGⅠエリザベス女王杯(京都・芝2200m)で3番人気のスタニングローズを操り、早め先頭から押し切った。ジャスティンパレスでの再現も可能だろう。

 紹介した2頭のほかには、ドウデュースも期待感が高い。ディープインパクト産駒2頭との名勝負が見られることを期待したい。

著者プロフィール

  • 平出 貴昭

    平出 貴昭 (ひらいで・たかあき)

    主に血統分野を得意とする競馬ライター、編集者。(株)サラブレッド血統センター在籍。著書に『覚えておきたい日本の牝系100』『一から始める! サラブレッド血統入門』など。「週刊競馬ブック」で『血統見聞録』を連載するほか、「競馬四季報」などの編集業務にも携わる。そのほか、『優駿』などにも寄稿。twitterアカウント:@tpchiraide

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