弥生賞で穴党記者は伏兵2頭をオススメ 堅い決着濃厚も人気馬絡みでも好配当が見込める

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu

 GI皐月賞(4月14日/中山・芝2000m)のトライアルであり、GI日本ダービー(5月26日/東京・芝2400m)との関連も深い、GII弥生賞(中山・芝2000m)が3月3日に行なわれる。

 昨年、このレースを制したタスティエーラはその後、皐月賞で2着となって、ダービーで戴冠を遂げた。一昨年も、同レース2着のドウデュースが皐月賞で3着に入って、続くダービーで頂点に立った。

 そうした近年の傾向もあってか、今年も評判馬が集結。2020年の凱旋門賞馬ソットサスの全弟で、2歳GIのホープフルS(12月28日/中山・芝2000m)で2着となったシンエンペラー(牡3歳)をはじめ、2022年のセレクトセール(1歳馬セクション)で4億5000万円(税別)の高値で取引された良血ダノンエアズロック(牡3歳)、デビュー2連勝中の期待馬トロヴァトーレ(牡3歳)らハイレベルなメンバーが顔をそろえ、先々に向けても目が離せない一戦となりそうだ。

 ただその分、馬券的な妙味は薄いかもしれない。デイリー馬三郎の木村拓人記者も、「シンエンペラーがいて、大物感のあるダノンエアズロックとドロヴァトーレが参戦。この人気の3頭が実力を出しきれば、堅い決着となっても仕方がないでしょう」と語る。

 実際、過去10年の結果を振り返ってみても、3連単が5000円以下の低配当となったことが5回もある。重賞のなかでも、弥生賞はかなり堅いレースの部類に入る。

 とはいえ、いまだ勢力図が定まらない3歳の春。過去にも断然人気の馬が期待を裏切って、馬群に沈むことが何度かあった。となれば、今年の人気3頭にも懸念材料がないのか、探ってみたくなる。それについて、木村記者はこう分析する。

「シンエンペラーに関しては、すでに重賞も勝っていて、ホープフルSでも2着。その能力に疑いの余地はありません。

 トロヴァトーレも、今回と同じ中山・芝2000mを舞台にしたレースで2戦2勝。タフなコース、直線の急坂も苦にしない、それだけの脚力が備わっているんだろうな、という想像は十分につきます。

 強いて言うなら、何か弱点があるとすれば、ダノンエアズロックでしょうか。同馬はノドの心配も抱えていますし、上の兄姉を見る限り、血統的に2000mという距離のイメージがあまり沸きません。ある意味、同馬にとっては今回が試金石のレースになるような気がします」

 いずれにせよ、「3強」のハードルはかなり高そうだ。だが、木村記者は「一角崩しを期待して、人気馬との組み合わせでも好配当が見込める馬を狙えば、穴党にも出番はある」と言う。

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