三冠牝馬リバティアイランドの弟、ダノンモンブランは「ポテンシャルを感じる1頭」

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara

厳選!2歳馬情報局(2023年版)
第26回:ダノンモンブラン

 今年も数多くの良血馬がデビューしてきた2歳戦線だが、これから初陣を迎える馬のなかにもまだ、多大な関心を集めている良血馬がいる。

 その1頭が、栗東トレセンの中内田充正厩舎に所属するダノンモンブラン(牡2歳/父ロードカナロア)である。

リバディアイランドの弟ゆえ、注目度が高いダノンモンブランリバディアイランドの弟ゆえ、注目度が高いダノンモンブランこの記事に関連する写真を見る 同馬の姉は今年、史上7頭目の三冠牝馬となったリバティアイランド(牝3歳/父ドゥラメンテ)。デビュー戦の2歳新馬(新潟・芝1600m)で上がり31秒4という驚異的な時計をマークして快勝すると、2戦目のGIIIアルテミスS(東京・芝1600m)ではクビ差の2着と惜敗するも、続くGI阪神ジュベナイルフィリーズ(阪神・芝1600m)では鮮やかな勝利を飾って2歳女王に輝いた。

 3歳になって挑んだ牝馬三冠初戦のGI桜花賞(阪神・芝1600m)も、圧巻の勝ちっぷりだった。4コーナーでは18頭中16番手の位置にいながら、上がり32秒9の豪脚を繰り出してライバルたちを一蹴。次戦のGIオークス(東京・芝2400m)でも危なげないレースを見せて、後続に6馬身差をつける完勝劇を演じた。

 牝馬三冠最終戦のGI秋華賞(京都・芝2000m)も、単勝1.1倍という断然の支持を受けるなか、その期待に見事応えて勝利。直線に入った時には早くも先頭に立ち、そのまま押しきって牝馬三冠を達成した。

 その後、ファン待望のイクイノックスとの夢の対決を実現すべくGIジャパンC(東京・芝2400m)に参戦。結果的に"世界最強馬"には及ばなかったものの、2着と力を示して、古馬になってからのさらなる活躍が期待されている。

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