アルゼンチン共和国杯で注目はハーツクライ産駒 出走2頭の期待度を血統でチェック

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki

 11月4日(日)、東京競馬場で3歳以上によるGⅡアルゼンチン共和国杯(芝2500m)が行なわれる。

 この「芝2500m」は特殊な距離設定で、現在JRAで芝2500mのレースが行なわれているのは中山と東京だけ。中山は形状的に2400mの距離設定ができないので仕方ないが、東京にはGⅠダービーやGⅠジャパンCが行なわれる2400m戦がありながら、春のGⅡ目黒記念、秋のアルゼンチン共和国杯と、2500mの重賞が2レース開催されている。ここ数年はその重賞2競走しか開催されておらず、今年10月14日に行なわれた2勝クラス戦は、重賞以外の2500mのレースとしては2011年に行なわれた未勝利戦以来12年ぶりのレースだった。

 ちなみに、芝2400m戦と芝2500m戦がどちらも行なわれる競馬場は東京競馬場だけ。特殊な条件の重賞でレース施行数は少ないが、血統的にはわかりやすい傾向が出ているため、それに従って推奨馬を挙げていきたい。

重賞レース初出走となるチャックネイト photo by 東京スポーツ/アフロ重賞レース初出走となるチャックネイト photo by 東京スポーツ/アフロこの記事に関連する写真を見る 近年のみならず、1986年以降の東京・芝2500m戦で最多勝を誇る種牡馬がハーツクライだ。アルゼンチン共和国杯は2014年フェイムゲーム、2016年シュヴァルグラン、2017年スワーヴリチャードの3勝で、目黒記念も2017年のフェイムゲームが勝利。その他、アルゼンチン共和国杯では2着が3回、目黒記念では2着が1回と3着が1回ある。前述の10月14日に行なわれた2勝クラス戦も、ハーツクライ産駒エクセレントタイムが勝利した。これは狙わないわけにはいかないだろう。

 今回は2頭のハーツクライ産駒が登録しているが、筆者が上に見るのはチャックネイト(セン5歳、美浦・堀宣行厩舎)だ。

 同馬は前走の六社S(3勝クラス、東京・芝2400m)を勝ってオープン入り。5歳、14戦目にして重賞初出走となる遅咲きの馬だ。六社Sは2着馬とクビ差の辛勝だったが、長い叩き合いを制する非凡な勝負根性を見せており、これまで勝利がなかった東京コースで勝った意義は大きい。今春に去勢手術をしたばかりで、その後3着、1着と好走が続いており、ついに本格化を迎えたと見てよさそうだ。

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