天皇賞・秋はディープインパクト産駒の「連対率」に期待 イクイノックスとドウデュースの牙城を崩せるか (2ページ目)

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki

 3歳時からGⅢ毎日杯で3着に入るなど能力の高さを見せていたが、体質の弱さもあってオープン入りしたのは昨年春。そして、今春のGⅡ金鯱賞(中京・芝2000m)で重賞初制覇を飾った。その後は香港に渡り、GⅠクイーンエリザベス二世C(芝2000m)で、前年のGⅠ香港Cを勝った強豪ロマンチックウォリアーに次ぐ2着。前走のGⅡ札幌記念(札幌・芝2000m)では2着以下に4馬身差をつける圧倒的な内容で勝利している。

 東京コースは初となるが、左回りは中京で2勝しており、芝2000mも重賞2勝を含む4勝と条件的には問題なさそうだ。血統を見ると、姉ヴォルダが英GⅠチェヴァリーパークS勝ち馬で、母の父がミスタープロスペクター系というのは前述の2014年勝ち馬スピルバーグと共通する。同馬も5歳時にこのレースでGⅠ初制覇を飾っただけに、プログノーシスも続きたいところだ。

 もう1頭のディープインパクト産駒は、GⅠ天皇賞・春を勝ったジャスティンパレス(牡4歳、栗東・杉山晴紀厩舎)。重賞3勝は天皇賞・春、GⅡ阪神大賞典(阪神・芝3000m)、GⅡ神戸新聞杯(中京・芝2200m)と長距離戦が多いが、2歳時には中山・芝2000mのGⅠホープフルSで2着に入っている。天皇賞・春を勝ったディープインパクト産駒といえば、フィエールマンが2020年に、1着アーモンドアイから1/2馬身差の2着と好走を見せているだけに軽視は禁物だろう。

 以上、今年の天皇賞・秋は、ディープインパクト産駒の2頭、プログノーシスとジャスティンパレスの2頭に期待したい。

プロフィール

  • 平出 貴昭

    平出 貴昭 (ひらいで・たかあき)

    主に血統分野を得意とする競馬ライター、編集者。(株)サラブレッド血統センター在籍。著書に『覚えておきたい日本の牝系100』『一から始める! サラブレッド血統入門』など。「週刊競馬ブック」で『血統見聞録』を連載するほか、「競馬四季報」などの編集業務にも携わる。そのほか、『優駿』などにも寄稿。twitterアカウント:@tpchiraide

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