三冠牝馬誕生に注目の秋華賞 一発に期待なら思いきった騎乗ができる人気落ちの先行馬 (2ページ目)

  • 武藤大作●取材・構成 text by Mutoh Daisaku
  • photo by Eiichi Yamane/AFLO

 4コーナーを回るところで(後続を)引き離せたので、本気で一瞬「勝てるかも」と思いましたが、やっぱりスティルインラブとアドマイヤグルーヴ(2着)は強かったですね。それでも、2頭に不利などがあれば、勝つチャンスもあったと思います。

 その経験から、気楽な立場で思いきった騎乗ができる馬に乗った際は、予想外の結果をもたらす可能性があることを知っています。今年の秋華賞でサプライズがあるとしたら、こういうパターンではないかと睨んでいます。

――では、今年の秋華賞でそういった可能性のある馬、特に注意を払っておきたい穴馬候補はいますか。

大西 僕が注目しているのは、グランベルナデット(牝3歳)とコナコースト(牝3歳)の2頭。どちらも、前走で人気を裏切ってしまった馬です。

秋華賞での一発が期待されるグランベルナデット秋華賞での一発が期待されるグランベルナデットこの記事に関連する写真を見る グランベルナデットは、前走のGII紫苑S(9月9日/中山・芝2000m)で1番人気に推されながら10着と大敗を喫しましたが、2番手から抜け出した春のリステッド競走・忘れな草賞(4月9日/阪神・芝2000m)の勝ち方が強く印象に残っています。

 同馬は、前々でスタミナを生かす騎乗で真価を発揮するタイプ。前半1000mが58秒1のハイペースで前崩れの展開となった紫苑Sは、明らかに流れが向きませんでした。この一戦だけで見限ることはできません。

 春の時点で、鞍上の松山弘平騎手が同馬の能力を高く評価。人気がなくなる今回は思いきった騎乗を見せる可能性があります。逃げ馬不在の組み合わせですから、場合によっては逃げる競馬をしても面白いかもしれません。

 コナコーストは、桜花賞でリバティアイランドに僅差の2着と奮闘。その結果から、オークスでは3番人気に推されましたが、同レースではスタートで出遅れて位置を悪くしてしまい、先行力を生かすことができず7着に敗れました。

 しかし、桜花賞まで鞍上を務めていた鮫島克駿騎手に手が戻る今回は、積極的な競馬を仕掛けてきそう。直線で早め先頭に立って押しきりを図った桜花賞の時のように、早め、早めに運んで逆転を狙ってくるのではないでしょうか。

 秋華賞ではこの2頭に一発の魅力を感じています。そして、今回の「ヒモ穴馬」にはより大穴への期待を込めて、グランベルナデットを指名したいと思います。

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