桜花賞の「大本命」リバティアイランドには、本当に死角がないのだろうか

  • 新山藍朗●文 text by Niiyama Airo
  • photo by Kyodo News

「これは異次元の決め手だ!」

 昨年末のGI阪神ジュベナイルフィリーズ(12月11日/阪神・芝1600m)のゴール前、大外から先行馬群を楽々とかわし去っていくリバティアイランドの強襲を見て、実況アナウンサーがそう絶叫した。

 結果、2着に2馬身半差の完勝だ。

 阪神JFは、同じ舞台で行なわれる牝馬クラシック第1弾のGI桜花賞に直結しやすいと言われる。そのレースをあの強さで制したのだから、今年の桜花賞(4月9日)がリバティアイランド(牝3歳)の「一強」と評されるのも当然だろう。

圧倒的な強さを見せて阪神JFを制したリバティアイランド圧倒的な強さを見せて阪神JFを制したリバティアイランドこの記事に関連する写真を見る しかし、そう言われれば言われるほど、「何か突っ込みどころはないか」と"重箱の隅"をつつきたくなるのは、競馬に関わる者の性である。はたして、リバティアイランドには本当に死角がないのだろうか。

「この時期の3歳牝馬ですからね、どの馬も競走馬としては未完成。弱点がない馬なんていません。その点においては、リバティアイランドも例外ではないですよ」

 そう語るのは、関西の競馬専門紙記者である。

 では、具体的にリバティアイランドの"弱点"とは何か?

「デビュー戦で出遅れたようにゲートは安定しておらず、仮にふつうに出てもテンが速くないので、なかなか好位置を取れません。阪神JFは外枠の有力3頭が出遅れたことによって、テンに行けなくても外からかぶされることもなく、思いどおりに運ぶことができた。でも次は、そううまくはいかないでしょう。

 また、馬体はまだトモが緩く、飼い葉食いも細いと聞いていますから、稽古をやりすぎると反動が出てしまう。その分、調整の難しさを抱えています。加えて、スローのヨーイドンの競馬はあまり得意ではありません」

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