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安藤勝己が選定した「3歳牝馬番付」桜花賞、オークスの勝ち馬が見えてくる

  • 新山藍朗●取材・構成 text by Niiyama Airo

2023年のクラシックがまもなく始まる。まずは3歳牝馬の争いだ。

今年はGI阪神ジュベナイルフィリーズ(12月11日/阪神・芝1600m)を完勝し、2歳女王に輝いたリバティアイランドが「断然」といった評価。下馬評でも、GI桜花賞(4月9日/阪神・芝1600m)、GIオークス(5月21日/東京・芝2400m)の二冠達成が「濃厚」といった見方さえある。

しかしながら、二番手以下は大混戦。リバティアイランドに続く候補は、五指に余る。さらに、何が起こるかわからないのが競馬。リバティアイランドが取りこぼすことがあっても不思議ではない。

そうしたなかで、我々が知りたいのは、今年の桜花賞、オークスで上位争いが見込めるのはどの馬か、ということ。そこで今年も、競走馬の分析に長けた安藤勝己氏を直撃。3歳牝馬クラシックでの躍進が期待できる馬をピックアップしてもらい、独自の視点による「3歳牝馬番付」を選定してもらった――。

この記事に関連する写真を見る横綱:リバティアイランド(牝3歳)
(父ドゥラメンテ/戦績:3戦2勝、2着1回)

 今年の3歳世代は牡牝を通じてこの馬だけ、そのレースぶりを見て「強いな」というインパクトを感じた。力は頭ひとつ抜けている。断然の横綱、という評価。桜花賞はこの馬でテッパンと見ている。

 何より、新潟のデビュー戦(7月30日/新潟・芝1600m)がケタ違いに強かった。いくら時計の速い夏の新潟とはいえ、上がり31秒4というのは驚異的。この時期の2歳馬に出せる時計ではない。

 前走の阪神JFでは、その時計がフロックではなく、実力に裏づけられたものだと証明した。ゴール前で軽く気合いをつけられただけで、あっという間に馬群を抜け出して2馬身半差の完勝。勝負どころの反応のよさとバネのよさは一級品と言える。

 ただ、同馬はその馬体のつくりから見て、本質的にマイラーだと思う。重心が高く、馬体がちょっと詰まった感じは、マイルで瞬発力を生かすタイプに見える。距離的には、2000mがギリギリではないだろうか。

 そういう意味では、距離が延びるオークスに向けては若干の不安がある。それでも、同世代の牝馬同士の戦いでは、距離適性よりも、能力の高さがモノを言う。桜花賞ほどの信頼は置けないものの、オークスもこの馬で決まりではないか。

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