共同通信杯を制したファントムシーフ「レースセンスに優れ、いいモノを持っている」と陣営の期待も絶大

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • photo by Kyodo News

2023年クラシック候補たち
第8回:ファントムシーフ

 クラシックホースを多数輩出しているGIII共同通信杯(東京・芝1800m)。今年のレース(2月12日)でも、今春の大舞台での躍進が見込める1頭が勝利を挙げた。

 栗東トレセンの西村真幸厩舎に所属するファントムシーフ(牡3歳/父ハービンジャー)である。

共同通信杯を快勝したファントムシーフ共同通信杯を快勝したファントムシーフこの記事に関連する写真を見る 同馬は2歳6月にデビュー。評判馬の集った一戦をきっちり制すと、次走は3カ月後のオープン特別・野路菊S(9月24日/中京・芝2000m)に出走した。道中3~4番手を追走し、3角を過ぎてから徐々に進出。4角手前では前を行く2頭を射程圏にとらえ、直線半ばで逃げ粘るアリスヴェリテを余裕たっぷりにかわしてデビュー2連勝を決めた。

 3戦目は、GIホープフルS(12月28日/中山・芝2000m)に参戦。スタートでやや後手を踏んだものの、6~7番手のインでリズムよく運んだ。そのままスムーズに直線を迎えて一気に仕掛けるが、レース自体がゆったりした流れだったため、前が最後まで止まらずに4着にとどまった。

 続いて挑んだのが、共同通信杯。好スタートから一度は先頭に立つも、押して上がってきたタッチウッドにハナを譲って2番手でレースを進めた。直線、逃げるタッチウッドが粘り込みを図るが、坂を上がってファントムシーフが一気に加速。残り200mをきってからタッチウッドを振りきって、鮮やかな勝利を飾った。

 ホープフルSこそ敗れたものの、ここまで自在性を生かした安定した走りで好結果を残してきたファントムシーフ。管理するスタッフは、同馬についてどう見ているのか。関西競馬専門誌のトラックマンが話を聞いてきた。

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