フィリーズレビューで注目は芝1400mに強いキタサンブラック産駒 父は長距離に強かったがスプリンターの素質は十分

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki
  • photo by Sankei Visual

 3月12日(日)、阪神競馬場で3歳牝馬によるGⅡフィリーズレビュー(芝1400m)が行なわれる。

 このレースは、4月9日に阪神競馬場で開催されるGⅠ桜花賞(芝1600m)のトライアル競走。レース名が「報知杯4歳牝馬特別」から変更された2001年以降、フィリーズレビューをステップに桜花賞で馬券に絡んだ馬は8頭と決して多くはない。だが、2005年10番人気3着のデアリングハート、2008年12番人気1着のレジネッタ、2017年8番人気1着のレーヌミノル、2022年6番人気3着のナムラクレアなど人気薄で激走した馬が多く、桜花賞に向けて要チェックのレースとなっている。

前走の1勝クラスを勝利したポリーフォリア前走の1勝クラスを勝利したポリーフォリアこの記事に関連する写真を見る 血統的視点からレースを占ってみよう。今年の日本競馬で、要注目の種牡馬の1頭がキタサンブラックだ。初年度産駒から年度代表馬のイクイノックスを送り出し、2023年の種付料は前年の500万円から1000万円と倍増し、さらなるステップアップが予想されている。

 2年目産駒の現3歳世代からも、ソールオリエンスがGⅢ京成杯(中山・芝2000m)、ラヴェルがGⅢアルテミスS(東京・芝1600m)を勝利し、すでに重賞勝ちが2頭。さらに、スキルヴィングがゆりかもめ賞(東京・芝2400m)を3馬身差で圧勝。先週のGⅡチューリップ賞でも、コナコーストが2着に入って桜花賞への切符を手にするなど、クラシックに向けて楽しみな馬が続々と登場している。
 
 現役時代のキタサンブラックは2000mでもGⅠを勝ったが、GⅠ天皇賞・春(芝3200m)を連覇するなど、主に長距離戦線で実績を残した。一方で産駒には、スプリントGⅠを2勝した母の父サクラバクシンオーの影響が大きいのか、スピードと瞬発力を伝えている。イクイノックスは上がり3F32秒台という切れ味鋭い脚を持っていて、ラヴェルも芝1600m戦で重賞勝ちを果たし、ジャスティンスカイはリステッドの洛陽S(阪神・芝1600m)を勝利している。

 JRAの芝コースでは全65勝のうち、1400mでは32戦5勝、2着4回、勝率15.6%、連対率28.1%と、1600mや2000mよりも高い数字を残している。主に1200mから1800mまで、どの距離も満遍なく勝利しており、いずれは一流スプリンターを出しても不思議はない。

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