ウマ娘では、バンブーメモリーが憧れるオグリキャップ。史実の2頭は初対決のマイルCSで伝説の激闘を演じた (3ページ目)
鞍上のムチ連打に応えるように、一歩ごとにインから差を詰めるオグリキャップ。バンブーメモリーも決して脚が上がったわけではない。2馬身がやがて、1馬身、半馬身、クビ、アタマと差が詰まる。ゴールに向けて観客の歓声はみるみるボリュームを増し、両馬の鼻面が揃ったゴールの瞬間、大絶叫に換わる。
内か、外か。
「負けられない南井克巳、譲れない武豊!」
関西テレビの杉本清アナウンサーの言葉は、現在でも名実況として語り継がれている。
競馬で勝っていたのはバンブーメモリーだった。しかし、軍配はオグリキャップに上がった。前走の敗戦を悔いていた鞍上の南井騎手は、レース後のインタビューで涙を浮かべながらオグリキャップを讃えたあとに、こう続けた。
「オグリにまだ借りは半分しか返せていないんで、来週のジャパンカップで倍にして返したい」
競馬史に残るこの激闘は、まさかの連闘で挑むジャパンカップの死闘によってさらに存在を強めることとなるが、この話はまた別の機会に。
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