小倉2歳Sはディープインパクト系の牝馬に期待。のちにGⅠ戦線へと羽ばたきそうな2頭は? (2ページ目)

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki
  • photo by Sankei Visual

 アウクソーは母系の血統がゴージャスで、母の父シーザスターズは英ダービー馬であり、欧州の現役最強馬バーイードの父。バーイードはディープインパクトと同牝系なので、アウクソーはバーイードを逆にしたような血統構成になっている。さらに、祖母の妹ミスフランスは英国の桜花賞にあたるGⅠ英1000ギニーの勝ち馬で、曽祖母ミスタチヒは2歳の仏GⅠマルセルブサック賞勝ち馬という一流の血統だ。

 父サトノアラジンの母の父がストームキャットというのもポイントだ。昨年の勝ち馬ナムラクレアの母の父、2018年の勝ち馬ファンタジストの父ロードカナロアの母の父、2017年の勝ち馬アサクサゲンキの父ストーミーアトランティックの父は、いずれもストームキャット。さらに遡っても、2013年の勝ち馬ホウライアキコはストームキャット直系、2003年の勝ち馬メイショウボーラーの母の父もストームキャットと、その血を持つ馬が好成績を残しているため、今回も狙ってみたい。

 もう1頭も、サトノアラジンと同じく父ディープインパクト、母の父ストームキャットという配合のリアルスティールを父に持つニシノトキメキ(牝2歳、栗東・北出成人厩舎)に注目したい。同馬の母の父ダイワメジャーは2011年エピセアローム、2016年レーヌミノルという2頭の勝ち馬に加え、2着馬を1頭、3着馬を2頭出しており、ミッキーアイルに並ぶ小倉2歳Sの特注種牡馬だ。

 ニシノトキメキは前走、今回と同じ小倉・芝1200mを1分08秒4の好タイムで逃げ切り。同レースで3着だったミカッテヨンデイイが、続くフェニックス賞を勝ったように相手も揃っていたため、そのレースで2着に1馬身差をつけた内容は評価できる。また、デビュー戦は5番手追走から3着に入ったように、逃げなくても競馬ができる器用さも心強い。

 以上、今年の小倉2歳Sは、アウクソー、ニシノトキメキのディープインパクト系牝馬2頭に期待する。

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