札幌記念に豪華メンバーが集結。穴党記者が夢見るのは舞台合う実績馬2頭の逃走劇

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Sankei Visual

 サマー2000シリーズの第4戦で、夏競馬唯一のGII戦となる札幌記念(札幌・芝2000m)が8月21日に行なわれる。

 夏のビッグイベントとあって、今年もそうそうたるメンバーが参戦。加えて、連覇を狙うソダシ(牝4歳)と同じ一族のハヤヤッコ(牡6歳)による"白毛馬対決"や、パンサラッサ(牡5歳)とジャックドール(牡4歳)による"逃げ馬対決"など、見どころとなる話題も満載だ。

 そんななか、人気の中心となるのは「白毛のアイドル」ソダシか。前走でも好メンバーが集ったGIヴィクトリアマイル(5月15日/東京・芝1600m)を快勝して完全復活。連覇に向けて視界良好となれば、当然のことかもしれない。

 だが、日刊スポーツの太田尚樹記者は、そのソダシに疑問の目を向けて、こんな見解を示す。

「ソダシは2000mへの距離延長が最大のポイントになるでしょう。昨年の勝ち馬であり、能力的には守備範囲の距離ですが、繊細な精神面を加味すると、気持ちを切らさずに走れるマイルがベスト。マークが厳しくなるなかで、気分を害さずに走れるかどうかがカギになります」

 また、冒頭でも記したように、今年はソダシに限らず、すばらしい顔ぶれが集結した。それら実績馬について、太田記者はどう見ているのだろうか。

「GI馬が5頭いて、まさにGI級の豪華な面々が集まった印象がありますが、あくまでもGII戦。ここが目標ではなく、秋への前哨戦という位置づけで臨んでくる馬がほとんどです。休み明けの馬も多く、各馬の仕上がり、"本気度"の見極めが重要になります」

 そうした状況にあって、太田記者は人気の盲点となりそうな実力馬に注目する。

「まず気になるのは、パンサラッサです。海外GIのドバイターフ(3月26日/UAE・芝1800m)の勝ち馬にしては、評価が低いように思います。

 帰国初戦の前走・GI宝塚記念(6月26日/阪神・芝2200m)は8着。陣営も距離延長を懸念していましたが、やはり2200mはもたなかったな、という感じ。

 理想は1800m。さらに前回の敗戦もあって、人気を下げているのかもしれませんが、札幌の小回りは大歓迎です。管理する矢作芳人厩舎の池田康宏厩務員によると、『コーナリングが本当に上手。ジョッキー(吉田豊騎手)も褒めてくれる』そうで、今回は自慢のコーナーワークを生かして本領を発揮してくれると思います」

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