タフな流れが予想されるエルムS。穴党記者が推奨する伏兵2頭のまくりが炸裂か (2ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Sankei Visual

エルムSでの巻き返しが期待されるブラックアーメットエルムSでの巻き返しが期待されるブラックアーメットこの記事に関連する写真を見る そこで、吉田記者はマリーンSでは馬群に沈んだ4歳馬の巻き返しに期待する。

ブラックアーメット(牡4歳)です。ここ2走の函館戦はこの馬なりに脚を使っていますが、前残りの競馬でワンパンチ欠く内容。2走前の大沼Sが4着、前走のマリーンSは8着に敗れています。

 しかし今回は、先にも触れたようにマリーンSの上位組とアメリカンシード、さらにアイオライトらがしのぎを削る先行争いが激化。今年の北海道シリーズで、最もタフな舞台になるのではないでしょうか。

 とすれば、差し馬に向く流れになることは明らか。2走前くらいの時計で走れば、ブラックアーメットにも十分にチャンスが回ってくる算段です」

 昨年11月にオープン入りして以降、勝ち鞍からは遠ざかっているブラックアーメットだが、すべて勝ち馬から1秒以内の敗戦で大きく負けてはいない。展開さえ向けば、大駆けがあっても不思議ではない。

 吉田記者はもう1頭、マリーンS組以外から推奨馬を挙げる。

「前走のGIIIプロキオンS(7月10日/小倉・ダート1700m)で2着と復活を遂げたベテラン、ヒストリーメイカー(牡8歳)です。

 今春のGIIIアンタレスS(4月17日/阪神・ダート1800m)とGIII平安S(5月21日/中京・ダート1900m)で、9着、15着と惨敗を喫して一気に評価を下げてしまいましたが、今回と同じ小回りの1700m戦で2着にきている点は高く評価すべきでしょう。

 長く脚を使えて最後まで踏ん張れるタイプ。前が速くなるなら、向正面から進出していった前走と同じような立ち回りが可能と見ます。相手関係も格段に上がった印象はなく、今回も人気の盲点となっているだけに積極的に狙っていきたい1頭です」

 波乱ムード漂うエルムS。ここに挙げた"キレ者"2頭が、熾烈な先行争いの間隙をついて最後の直線で突き抜けてくるのか、注目である。

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