血統分析で見えた、ヴィクトリアマイルの本命「桜花賞馬」とディープインパクト産駒の穴馬は?

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki
  • photo by Sankei Visual

 5月15日、東京競馬場で4歳以上の牝馬によるGⅠヴィクトリアマイル(芝1600m)が行なわれる。

 今年はエリザベス女王杯のアカイイト、阪神ジュベナイルフィリーズと桜花賞のソダシ、牝馬三冠のデアリングタクト、大阪杯のレイパパレ、阪神ジュベナイルフィリーズのレシステンシアと、5頭のGⅠ馬が出走予定だ。「ソダシvsデアリングタクト」、「レイパパレvsソダシ、デアリングタクト」という対決は今回が初めて。さらに5頭は久々の、もしくは初めての芝マイルGⅠということもあって予想が難しく、しかし実に面白い一戦だ。

 このレースを血統的視点から分析していこう。もっとも好成績を残しているのが、過去16戦で52頭が出走し、4勝、2着5回、3着5回のディープインパクト産駒。多くの名馬を送り出し、出走頭数も飛び抜けて多いので当然のデータとも言えるが、人気薄馬の激走が多い点に注目したい。2014年の勝ち馬ヴィルシーナは11番人気、2018年の勝ち馬ジュールポレールは8番人気、昨年の2着馬ランブリングアレーは10番人気だった。

 この視点から狙いたいディープインパクト産駒がテルツェット(牝5歳、美浦・和田正一郎厩舎)だ。

ダービー卿チャレンジトロフィーで重賞初勝利を飾ったテルツェットダービー卿チャレンジトロフィーで重賞初勝利を飾ったテルツェットこの記事に関連する写真を見る 本馬は昨年のGⅢダービー卿チャレンジトロフィー(中山・芝1600m)、GⅢクイーンS(函館・芝1800m)の勝ち馬で、前走のGⅢ中山牝馬S(中山・芝1800m)5着を経ての参戦。昨年のこのレースは14着と大敗しているが、パドックでイレ込み、レースでも出遅れて後方からと、ちぐはぐな競馬になってしまった。そのレースを除けば東京・芝1600m戦では2戦2勝と、この舞台は得意な条件と言える。

 血統もすばらしい。同じ父を持つ叔父のリアルスティールはGⅠドバイターフ(メイダン・芝1800m)の勝ち馬。同じくディープインパクト産駒である叔母のラヴズオンリーユーはGⅠオークス(東京・芝2400m)、GⅠBCフィリー&メアターフ(米デルマー・芝2200m)、GⅠ香港C(香港シャティン・芝2000m)などを勝ち、4代母ミエスクは米GⅠBCマイル(チャーチルダウンズ・芝1600m)を連覇した歴史的名牝だ。ラヴズオンリーユーも5歳時の昨年にピークを迎えただけに、本馬にも5歳でのGⅠ初制覇に期待する。

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