「愛情をたっぷりと注がれて...」堤礼実アナの記憶に今なお鮮明に残っている名伯楽の姿 (2ページ目)
こうなると、いよいよ次は凱旋門賞!
そんな期待が膨らみます。世界中で多くの日本馬が好成績を残しているのを見ていると、これまで成し遂げられなかった凱旋門賞勝利という偉業達成の瞬間も、着実に近づいている気がします。
今年の凱旋門賞には、昨年の日本ダービー馬、シャフリヤールが出走登録を済ませたというニュースもありました。シャフリヤールは、前述のドバイワールドカップデーでGIドバイシーマクラシックを勝っていますし、すでにそうした海外実績があることを考えれば、本番がとても楽しみです。
できれば、私も世界最高峰のレースの興奮と感動を現地で味わいたい!
それが、今の願いです(笑)。競馬はテレビで見るのもいいですが、競馬場の雰囲気も含めて、生で味わうのが醍醐味でもありますからね。
そういったうれしいニュースの一方で、今年の春は少し寂しいニュースもありました。
藤沢和雄先生の調教師引退です。70歳での定年引退ですから仕方がないこととはいえ、やはり名伯楽が一線を退くのは寂しいことです。
私自身、藤沢先生には取材でお話をうかがう機会が数回でしたがありました。その際、管理馬について藤沢先生は、まるで自分の家族や子どものことを話すように答えてくださるのです。そして、最後には「本人に伝えておくよ」と言ったりして。その和やかな表情と穏やかな口調で答えていただいた姿が、今でもはっきりと私の記憶に残っています。
そういったスタイルは藤沢先生に限ったことではないのかもしれませんが、愛情をたっぷりと注がれて育った藤沢厩舎の馬たちは、本当に幸せだっただろうなと思います。
藤沢厩舎の管理馬で一番印象に残っているのは、まだ記憶に新しいということもありますが、昨年引退したグランアレグリアです。競馬番組のMCとして、彼女がスター街道を突き進む姿はもちろん、デビューから引退までのすべてを見届けることができたことに感謝し、これからの私の自慢にしたいと思います。
藤沢先生が積み上げてきた知識や経験は今後、他の調教師の方や、一緒に働いていた助手の方に受け継がれていくのでしょう。そこからまた、すばらしい競走馬たちが生まれてくるのを楽しみにしています。
2 / 3