8馬身差の衝撃。ダービーを目指す「新星」ブラックブロッサムの才能に陣営も胸躍る

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • photo by Sankei Visual

2022年クラシック候補たち
第16回:ブラックブロッサム

 4月17日に行なわれた3歳牡馬クラシック第1弾のGI皐月賞(中山・芝2000m)は、5番人気のジオグリフが激戦を制覇。2着にイクイノックス(3番人気)、3着にドウデュース(1番人気)が入った。これらは次なる頂上決戦、GI日本ダービー(5月29日/東京・芝2400m)でも中心視され、上位争いが期待されるだろう。

 一方で、別路線からもこの大舞台を目指し、既成勢力との激闘が見込まれている馬たちがいる。栗東トレセンの斉藤崇史厩舎に所属するブラックブロッサム(牡3歳/父キタサンブラック)もその1頭である。

大寒桜賞で後続に8馬身差をつける圧勝劇を演じたブラックブロッサム大寒桜賞で後続に8馬身差をつける圧勝劇を演じたブラックブロッサムこの記事に関連する写真を見る 年明けにデビューした同馬は、初陣となる3歳新馬(1月30日/中京・芝2000m)をきっちり勝利。1番人気に支持された同レースでは、好スタートから3、4番手の外側につけてリズムよく運んだ。直線を迎えて早め先頭に立つと、そのまま後続の追撃も振りきってトップでゴール板を通過した。

 そして、この馬の名を一気に轟かせたのが、2戦目の1勝クラス・大寒桜賞(3月27日/中京・芝2200m)だった。ここでも好位3番手を追走。3コーナーすぎから徐々に進出していき、直線に入った時には先頭に立っていた。

 圧巻だったのは、ここから。残り200m付近で一緒に進出してきたフェーングロッテンを突き放すと、そのままグングンと末脚を伸ばして、最終的には2着以下に8馬身もの差をつけて完勝したのだ。

 大寒桜賞の勝ち馬と言えば、トーセンホマレボシやタンタアレグリア、リオンリオンなど、その後のダービー前哨戦でも勝ち負けを演じた馬が多い。それゆえ、同レースを圧勝したブラックブロッサムへの注目度が急激に増したことも頷ける。

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