本命不在のマイラーズC。穴党記者が推すのは混戦で頼りになるディープ産駒2頭

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Sankei Visual

 春のGIシリーズが中休みの今週、関西ではGIIマイラーズC(4月24日/阪神・芝1600m)が行なわれる。

 GI安田記念(東京・芝1600m)の前哨戦のなかでも注目度の高いレースとあって、過去10年の勝ち馬を見ても、グランプリボスをはじめ、イスラボニータやインディチャンプなど、マイルのGI戦線で奮闘してきた馬の名前が目につく。

 しかしながら、過去10年で1番人気はわずか2勝。伏兵の台頭がしばしば見られ、波乱含みの一戦と言える。さらに今年は、GI馬の参戦がなく、かなりの混戦模様。馬券検討は例年以上に難解を極める。

 しかも、舞台は京都競馬場の改修工事による開催増の影響で、特殊な馬場状態にある阪神競馬場。この春のGI大阪杯、桜花賞でも、上位人気馬がことごとく馬群に沈んで番狂わせが起こっている。

 そうした状況にあって、まずはレースのカギを握る馬場状態を把握しておくことが大事だろう。その点について、デイリー馬三郎の吉田順一記者はこう分析する。

「先週は木曜日から金曜日にかけて18.5㎜の雨量を観測しましたが、土曜日の朝には良馬場に回復。芝のクッション値も高く、土曜、日曜日ともに通常よりも少し硬めの路盤となっていました。実際、土曜、日曜日の芝では、速い時計で決着したレースがいくつかありました。

 そして今週も、木曜日から金曜日にかけて雨が降りましたが、先週と同じく週末は好天の予報。気温が高くなり、野芝(の成長)が活発の時期だけに、馬場も先週と同様に回復しそうです。速い時計が出やすく、前に行く馬、内目を進む馬にアドバンテージがあると見ています」

 では、こうした馬場状態においてはどういった馬が狙い目になるのか。吉田記者は人気どころの取捨についてもふれてこんな見解を示す。

「有力馬の大半が後方待機組。そうしたメンバー構成からして、レースの主導権を握るのは逃げ・先行タイプのホウオウアマゾン(牡4歳)ではないかと考えています。強力な同型も見当たりませんし、馬場状態を踏まえれば、人気でも馬券の中心として押さえておきたい存在です。

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