世代屈指のキレ味を秘めるナミュール。クラシック制覇へ、陣営の手応えはいかに?

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • photo by Sankei Visual

2022年クラシック候補たち
第13回:ナミュール

 桜花賞トライアルのなかでも、最も重要なレースとして位置づけられているGIIチューリップ賞(阪神・芝1600m)。現に、チューリップ賞を経由して桜の女王に輝いた馬は数多くいる。

 そして今年も、チューリップ賞を制してGI桜花賞(4月10日/阪神・芝1600m)での戴冠を目指す素質馬がいる。栗東トレセンの高野友和厩舎に所属するナミュール(牝3歳/父ハービンジャー)である。

チューリップ賞を快勝し、桜花賞へ向かうナミュールチューリップ賞を快勝し、桜花賞へ向かうナミュールこの記事に関連する写真を見る 昨秋の2歳新馬(9月11日/中京・芝1600m)でデビューした同馬は、同レースで後続に2馬身差をつける完勝劇を披露すると、続く1勝クラスの赤松賞(11月21日/東京・芝1600m)も快勝。メンバー最速の上がり33秒0という末脚を繰り出して、一躍世代の"主役"へと躍り出た。

 その後、3戦目には「2歳女王決定戦」となるGⅠ阪神ジュベナイルフィリーズ(12月12日/阪神・芝1600m)に挑んだ。過去2戦で見せた非凡な末脚が評価されて1番人気に推されたものの、スタートで大きく出遅れ。4コーナー17番手という苦しい位置取りとなって、4着に屈した。

 それでも、直線では最内を猛追。ここでもメンバー最速の上がりタイムをマークし、世代トップクラスの能力を改めて示した。

 この阪神JFから休み明けで臨んだのが、チューリップ賞。横山武史騎手との新コンビで無難にスタートを決めたあとは、中団に構えて追走した。直線に入った直後は前が壁になるも、わずかな隙をついて外に持ち出すと、そこから一気に加速。最後は2着以下に1馬身半差をつけて、重賞勝ちを遂げた。

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