ウマ娘では一流を目指すキングヘイロー。実際も、GⅠ勝利まで21戦挑み続けた超良血馬

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Sankei Visual

 今年2月にサービス開始から1周年を迎え、まだまだその勢いが止まらないスマホゲーム「ウマ娘 プリティーダービー」。その1周年を記念したアップデートで、新たに隠しイベント「王様のSMILE」が追加されたのが、キングヘイローだ。

6歳(旧表記)で初のG Iとなる高松宮記念を制したキングヘイロー6歳(旧表記)で初のG Iとなる高松宮記念を制したキングヘイローこの記事に関連する写真を見る アニメ、ゲームともにキングヘイローは、ウマ娘としても、引退後に転身したデザイナーとしても、一流である母から認められず、また周囲からも「偉大な母の娘」としか見られないことへの反発心から、自身も一流であろうとすることにこだわる。

 しかし、そうしたプライドの高さとは裏腹に、アニメ本編では主役であるスペシャルウィークをはじめ、セイウンスカイ、グラスワンダーら同世代のライバルウマ娘たちに相次いで敗れ、彼女らの引き立て役に甘んじてしまう扱いであった。

 一方ゲーム内のストーリーにおいては、敗れ続けながらも自身が「一流」であるプライドは損なうことなく、勝利に向けてあがきながら、「偉大なる母の娘」ではなく「一流のウマ娘」を目指していく。そのためメインシナリオ本編では、クラシック級では皐月賞・日本ダービーが5着以内、菊花賞が出走というクリア条件。シニア級となって、いきなり短距離GIの高松宮記念では1着が要求される設定となっている。

 モデルとなった競走馬のキングヘイローは1995年4月28日に生を受ける。父は凱旋門賞などを勝ち、80年代最強の欧州馬の呼び声も高いダンシングブレーヴ、母はアメリカでGIを7勝のグッバイヘイローと、まさに当時における世界的な名血であった。

 そして、97年のデビュー時からその主戦を託されたのが、前年の96年に騎手デビューした福永祐一であった。福永の父は、天才騎手と称されながら事故で引退を余儀なくされた福永洋一。ウマ娘のストーリーにおいて「偉大なる親」が強調されるのも、この点が反映されているのであろう。

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