堤礼実アナがフェブラリーSで見たプロの魂。「泥だらけの福永騎手はカッコよかった」
堤 礼実連載:『華麗なるウマ話』第31回
スポルティーバとフジテレビの競馬中継番組『みんなのKEIBA』とのコラボ企画、堤礼実アナウンサーの連載『華麗なるウマ話』。今回は今年最初のGIレース、フェブラリーSについて振り返ってもらった――。
最近競馬を見ていて、少し気になっていることがあります。
それはスタート直前、ゲート後方で行なわれる輪乗りでのこと。スタジオで中継映像を見ていると、基本的に映し出されるのは人気を集める有力馬たちなのですが、その背後で何気なく映っている馬が、チラッとカメラのほうを見ることがあります。
「あ、今こっちを見た!」
密かにそんなことを思いながらレースを見ていると、それがたとえ人気薄の馬であっても、不思議と馬券に絡んでくるのです。馬も自信があるので、アピールしているのかななんて......。私の気のせいでしょうか......(笑)。
さて先日、今年最初のGⅠレース、フェブラリーSが行なわれました。
残念ながら、まだまだ満員の観衆の前でレースを行なうというわけにはいきませんが、それでも無観客だった時期に比べれば、異なる空気がスタジオの外から伝わってきます。観客数が制限されているなかでも、聞こえてくる拍手からはレースの熱気が感じられ、「今年もGⅠレースが始まったんだ!」と実感することができました。
そのフェブラリーSの結果は? というと、カフェファラオが昨年に続く連覇を達成。「本当に強かったな」というのが、率直な印象です。
と同時に、昨年末の大ケガから復帰されたばかりの福永祐一騎手が早くもGⅠ勝利。カフェファラオは気性的に乗るのが難しい馬だと聞いていましたが、これほど完璧な騎乗で悠々と勝ってしまうのは、福永騎手だからこそ、でしょう。
それにしても、昨年12月の香港スプリントでの落馬事故を思うと、今こうして福永騎手がフェブラリーSを勝っていることが驚きです。復帰直後から好調だったとはいえ、「もうGⅠまで勝っちゃうの!?」と、本当にビックリしています。
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