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金鯱賞で血統的に大注目の2頭。父馬は「東京・芝2000m」で抜群の勝率、最多勝馬だ

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki
  • photo by Sankei Visual

 3月13日、中京競馬場で4歳以上の馬によるGⅡ金鯱賞(芝2000m)が行なわれる。

 このレースは4月3日に開催されるGI大阪杯(阪神・芝2000m)の前哨戦に位置づけられており、大阪杯がGⅠに昇格した2017年以降、施行時期が年末からこの時期に変更。2018年の勝ち馬スワーヴリチャードは続く大阪杯も制し、2019年の金鯱賞5着だったアルアインは9番人気で大阪杯を勝利。2017年には金鯱賞6着のステファノスが大阪杯7番人気で2着に入っている。

 そんな大阪杯を占う意味で重要な一戦を、今回は血統的視点から分析していこう。

 今回、大きな注目を集めるのがジャックドール(牡4歳/栗東・藤岡健一厩舎)だ。

現在4連勝中のジャックドール現在4連勝中のジャックドールこの記事に関連する写真を見る 同馬は昨年4月に初勝利。昨秋の時点では1勝馬だったが、そこから4連勝してここに臨む。デビューから一貫して芝・2000mに出走し、これまで8戦5勝、2着2回。前走は白富士S(東京・芝2000m)で2着に1馬身1/2差をつけて逃げきった。

 同レースの勝ちタイムの1分57秒4はここ2年の東京・芝2000mでは最速タイムで、過去にこのタイムを上回ったのは、2019年のアーモンドアイ(1分56秒2)など6頭がGⅠ天皇賞・秋で記録されたもの。ジャックドールの記録はGⅠ以外では最速となる。しかも、この時計を自ら逃げて出したのが評価できる点で、天皇賞の6頭はすべてが4コーナー5番手以降で脚を溜めていた。

 ジャックドールの父は、2016年の天皇賞・秋など日本と香港でGⅠを6勝したモーリス。モーリス産駒は中京・芝2000mで39戦6勝、勝率15.4%となっている。数は少ないものの、このコース最多勝のディープインパクト(512戦67勝で勝率13.1%)よりも高い勝率を残している。ジャックドール自身も中京・芝2000mでは2戦2勝で、最近の4連勝はすべて左回り芝2000mで挙げたもの。ここは絶好の舞台と言えそうで、5連勝での重賞初制覇に期待したい。

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