軽い調教で圧巻の2連勝。陣営も「この馬は走る」と唸ったドゥラドーレスのポテンシャル

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • photo by Sankei Visual

2022年クラシック候補たち
第9回:ドゥラドーレス

 去る1月30日の1勝クラス・セントポーリア賞(東京・芝1800m)で、強烈なインパクトを残して勝ち上がった素質馬がいる。

 美浦トレセンの宮田敬介厩舎に所属するドゥラドーレス(牡3歳/父ドゥラメンテ)である。

セントポーリア賞を圧勝したドゥラドーレスセントポーリア賞を圧勝したドゥラドーレスこの記事に関連する写真を見る 同馬は、昨秋の2歳新馬(11月7日/東京・芝1800m)でデビュー。12頭中10番手の内を追走し、そのまま直線を迎えた。そこから抜け出しを図ろうとするが、内も外も行き場がなく、馬群のなかに完全に包まれてしまった。

 しかし、直線半ばで外に持ち出して前が開くと一気に加速。大外から強襲してライバルたちをねじ伏せた。

 続く2戦目が、冒頭で触れたセントポーリア賞。ここでは、前走の未勝利戦で後続に6馬身差をつけての圧勝劇を演じた牝馬のウィズグレイスが、単勝1.4倍という断然の支持を受けていた。

 ドゥラドーレスはそれに続く2番人気。ウィズグレイスが軽快に逃げるなか、同馬は再び後方からレースを進めた。

 迎えた直線、先頭のウィズグレイスは持ったままの状態で内から着実に脚を伸ばしていく。後続はそれについていけず、ズルズルと後退していったが、外から1頭だけ追い上げてきたのが、ドゥラドーレスだった。

 残り200mをきってウィズグレイスを捕らえると、そのまま突き抜けてゴール板をトップで通過。最後は、話題の強豪牝馬に3馬身差をつけての完勝だった。

 この結果、一躍この世代の有力候補となったドゥラドーレス。同馬を管理する陣営は、デビュー前からその能力の高さを感じとっていたという。関東競馬専門紙のトラックマンがその様子を伝える。

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