年明けから1番人気が連敗中。波乱含みのAJCCも超大穴に激走ムードの予感

  • 大西直宏●解説 analysis by Onishi Naohiro
  • photo by Sankei Visual

ダービージョッキー
大西直宏が読む「3連単のヒモ穴」

 年が明けてすでに7鞍の重賞が行なわれましたが、ここまで1番人気は7連敗中(0勝、2着2回、3着1回、着外4回)。苦戦傾向にあります。

 厳寒期ということで、各陣営とも仕上げに苦労している、というのはあるでしょう。他に、古馬戦は4戦すべてがハンデ戦だったこと、3歳戦は社台系のブランド馬が過剰に人気したことなどがその理由に挙げられます。

 いずれにしてもこの冬場のレースに関しては、戦績などから"押し出されて人気になる"というタイプが、一番危ないパターンかもしれません。

 さて、今週のGIIアメリカジョッキークラブC(1月23日/中山・芝2200m)はどうでしょうか。

 このレースはハンデ戦ではなく、別定戦。これまでの古馬重賞に比べて波乱になる可能性は低いと思われますが、メンバーはやや小粒の感があります。それに、上位人気が想定される顔ぶれを見る限り、やや"押し出されての人気"といった印象が拭えません。もしかすると、年明けの傾向がそのまま継続されるかも......。

 おそらく1番人気は、明け4歳のオーソクレース(牡4歳)でしょう。

 これまでに一度も馬券圏内(3着以内)を外しておらず、前走のGI菊花賞(10月24日/阪神・芝3000m)でも2着と好走。母がGI2勝のマリアライトという良血馬で、ノーザンファームの生産馬、鞍上がクリストフ・ルメール騎手となれば、人気が集中するのも納得です。普通に考えれば、この馬がここをステップにして今年の飛躍につなげる、といったイメージが膨らむのではないでしょうか。

 ただ、この馬はまだ重賞勝ちがありませんし、重賞で好走したレースも勝ち馬から離されてのものばかり、というのは気になります。その戦績やキャラからして、先週の日経新春杯で1番人気に推されながら2着に終わったステラヴェローチェと少しイメージがダブります。

"相手なり"という馬は、どんなレベルの馬に対しても相手なりにしか走れず、人気を背負った際には伏兵馬の激走によってとりこぼす、ということがよくあります。現状ではまだ、オーソクレースがそのタイプとは断言できませんが、重賞をひとつ勝つまでは懐疑的な目を向けてもいいかもしれませんね。

 オーソクレースに続く人気が予想されるのは、ポタジェ(牡5歳)でしょうか。

1 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る