今年は穴党の出番か。「堅い」ホープフルSでの大駆けを予感させる伏兵2頭

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Sankei Visual

 2021年の中央競馬もいよいよフィナーレを迎える。ラストを飾るのは、2歳GIのホープフルS(12月28日/中山・芝2000m)だ。

 今年で重賞となって8回目、GIに昇格してからは5回目の開催となる。GI昇格後の過去4回は、1番人気がすべて勝利。穴党の出番はないように見える。

 それでも、2017年には3連単の配当が5万円超え。波乱となる可能性はゼロではない。はたして、今年はどうか。

 まず今年の勢力図について、スポーツ報知の坂本達洋記者はこんな見解を示す。

「今年は、デビュー2連勝でGIIIサウジアラビアロイヤルC(10月9日/東京・芝1600m)を制したコマンドライン(牡2歳)が人気を集めそうで、『1強』と見る向きもあるかと思いますが、私は『3強」と見ています。

『3強』の1頭は、そのコマンドライン。まだレースぶりに余裕があって、伸びしろが十分にあります。

 2頭目は、ここにきて一気に存在感を増してきたサトノヘリオス(牡2歳)。前走の1勝クラス・エリカ賞(12月11日/阪神・芝2000m)では、従来の2歳コースレコードをコンマ7秒も更新する勝ち時計をマークして、中身の濃いレースぶりでした。

 道中は中団で運び、直線では進路を探しながらでしたが、馬の間を割って抜け出してからの加速には、エンジンのよさを感じました。芝2000mで2連勝しているように、距離に不安はなく、中山コースに対応できそうな器用さも兼ね備えているのは強みです。

 祖母はオークス2着など牝馬クラシック戦線で活躍したエアデジャヴー。母エアマグダラの兄弟には、エアシェイディ、エアメサイアといった活躍馬の名が並んでいます。そして、父は今をときめくエピファネイア。血統的な大物感も見逃せません。

 もう1頭は、2戦2勝のジャスティンパレス(牡2歳)。ここまで底を見せていませんし、今回の鞍上には短期免許で来日中のクリスチャン・デムーロを迎え、陣営の同馬への期待の高さがうかがえます。

 以上、今年のホープフルSはこの3頭が中心になると見ています」

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