動きも気性も不安なし。アドマイヤラヴィは母の果たせなった夢を叶えるか

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara

厳選!2歳馬情報局(2021年版)
第8回:アドマイヤラヴィ

 父や母があと一歩で届かなかったクラシックのタイトルを、息子や娘が手にする――。競馬史を振り返れば、そうしたストーリーは過去に何度となく見られている。

 そして今年の2歳馬にも、そういった母娘の物語を期待したくなる馬がいる。栗東トレセンの友道康夫厩舎に所属するアドマイヤラヴィ(牝2歳/父ロードカナロア)である。

母が果たせなかったクラシック制覇が期待されるアドマイヤラヴィ母が果たせなかったクラシック制覇が期待されるアドマイヤラヴィこの記事に関連する写真を見る 彼女の母は、2017年の3歳牝馬クラシックで主力の一角を担ったアドマイヤミヤビ。同馬は2歳の7月にデビューし、初戦こそ2着に敗れたものの、続く未勝利戦を快勝。その後も、500万下(現1勝クラス)の百日草特別(東京・芝2000m)、GIIIクイーンC(東京・芝1600m)と勝って3連勝を飾った。

 クイーンCでは1番人気に推されて、道中8番手からメンバー最速の上がり33秒6の末脚を繰り出して勝利。見事人気に応えるとともに、圧巻の走りを披露して一躍クラシック候補に躍り出た。

 しかし、クラシック第1弾のGI桜花賞(阪神・芝1600m)では2番人気の支持を受けながら、スタートで出遅れ。そのまま後方から伸び切れずに12着と大敗を喫した。

 続くGIオークス(東京・芝2400m)でも巻き返しを期待されて、再び2番人気に推されたが、桜花賞同様、後方からレースを進めて3着に終わった。直線では大外から強襲して見せたものの、好位から先に抜け出した1着ソウルスターリング、2着モズカッチャンを捉えることはできなかった。

 結局、アドマイヤミヤビはこのレースを最後に現役引退。繁殖牝馬となった。その初子で、母が果たせなかったクラシック制覇の夢を託されたのが、アドマイヤラヴィである。

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