堤礼実アナが学んだ「負けることの美学」。馬に対する見方も変わった (2ページ目)
その際に、「デビュー戦では2着に負けはしたけれど、"負けて強し"というレースを見せていたんだな」「桜花賞では生涯唯一の2番人気での出走だったんだな」と、改めて気づかされることもありました。
ひと通り振り返ってみると、やはり桜花賞でのインパクトが特に強烈でしたね。大外から驚異の末脚を繰り出して、豪快な差し切り勝ち。私の中での"アーモンドアイ伝説"はここから始まった――そんなことも思い出しました。
以降、どのレースでも私たちにワクワクを与えてくれたアーモンドアイ。結果を出すだけでなく、期待を上回るような強さを何度も見せてくれました。
もちろん、結果を残せないこともありましたが、何が起こるかわからないのがスポーツ。"絶対はない"のだという厳しさを知るとともに、負けることの美学のようなものも、彼女から教えてもらったような気がします。
そのアーモンドアイが引退してしまったことは、悲しくもあり、寂しくもありますが、競馬番組のMCとして、彼女のレースをこの目で見届けることができたのは、本当に貴重な経験でした。
先日、アーモンドアイのぬいぐるみを記念に購入しました。勝利したGIレースごとにいろいろな種類があって迷いましたが、私が選んだのは、2018年に牝馬三冠を達成した秋華賞バージョン。頭の上に三冠達成記念の"トリプルティアラ"が乗っているところが可愛くて、気に入っています。
小さめのぬいぐるみで、チェーンがついているのでカバンなどにもつけられるのですが、今は私の部屋の一角にある"ぬいぐるみゾーン"に座っています。それも、ドーンとど真ん中に!(笑)。
これからは、繁殖入りしたアーモンドアイがどんな子どもを産んでくれるのか、とても楽しみです。初年度はエピファネイアとの交配が予定されているとのことですが、その子はきっと、大きな注目を集めるでしょうね。
デビューから引退までを見届けたアーモンドアイは、私にとって、まるで娘のような存在でした。その子どものレースを見る時は、どんな思いになるのでしょう? 娘の子どもですから、孫を見るようなものなのかな(苦笑)。いずれにしても、楽しみでなりません。
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