オールカマーは過去の激走条件を満たす3頭が、人気3頭をビビらせる (3ページ目)

  • text by Sportiva
  • photo by Yasuo Ito/AFLO

 最後に注目したいのは、重賞実績がありながら、近走の不振や休み明けのローテーションが嫌われて人気を落としそうな馬だ。

 たとえば、2010年に5番人気で勝ったシンゲン。同馬は重賞2勝を誇っていたが、およそ11カ月の休み明けだったことが嫌われた格好だ。

 2015年に7番人気で3着に食い込んだミトラも、約6カ月の休み明けだった。そのため、重賞1勝の他、重賞戦線でコンスタントに結果を残していながら、伏兵馬の域を出なかった。

 2017年に5番人気で勝利したルージュバックは、直近のレースで不振にあえいでいた。前走のGIヴィクトリアマイル(東京・芝1600m)でも10着に敗れていて、牡馬相手の重賞で3勝という実績がありながら、低評価にとどまった。

 今回、これらに似たような存在がいないか探してみると、1頭の馬に目が止まった。スティッフェリオ(牡5歳)だ。

 昨秋のGIII福島記念(福島・芝2000m)、今春のGIII小倉大賞典(2月17日/小倉・芝1800m)と、重賞2連勝を飾った同馬。しかしその後は、GI大阪杯(3月31日/阪神・芝2000m)、GI宝塚記念(6月23日/阪神・芝2200m)と、ともに7着に終わっている。その分、今回も上位人気になることはなさそうだが、過去の傾向から、ここでの逆襲があっても不思議ではない。

 出走馬10頭という少頭数の戦いゆえ、「堅い決着になる」という見方が一段と増している。ただし、有力馬が目指す舞台はこの先。余力を残して仕上げてくることも十分に考えられる。とすれば、ここに挙げた馬たちにも、付け入るチャンスがあるかもしれない。

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