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重賞馬の兄を持つレッドラルジュ。
北村宏司騎手も「なかなかいい」

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • photo by Eiichi Yamane/AFLO

厳選!2歳馬情報局(2019年版)
第17回:レッドラルジュ

 近年、コンスタントに活躍馬を出しているファミリーから、まもなくデビューを迎える2歳馬がいる。美浦トレセンの木村哲也厩舎に所属するレッドラルジュ(牝2歳/父オルフェーヴル)である。

 彼女には、重賞を制した2頭の兄がいる。

 1頭は9つ上の兄、2008年生まれのショウナンマイティ(牡/父マンハッタンカフェ)。同馬は、デビュー戦、オープン特別の萩S(京都・芝1800m)と連勝を飾り、一躍クラシック候補になった。

重賞戦線で活躍したレッドラルジュの兄、ショウナンマイティ重賞戦線で活躍したレッドラルジュの兄、ショウナンマイティ しかしその後の重賞、クラシックトライアルなどでは掲示板(5着以内)に載るのが精一杯。上位人気に推されながら、勝ち負けを演じるまでには至らず、3歳春のクラシック出走は叶わなかった。三冠最後のGI菊花賞(京都・芝3000m)には参戦するも、8着に終わった。

 重賞では健闘止まりに終わっていた同馬が、上昇気配を見せたのはそれ以降。菊花賞後、年末のGIII鳴尾記念(阪神・芝1800m)で2着に好走すると、古馬になって一気に本格化を果たした。

 オープン特別の大阪城S(阪神・芝1800m)で再び2着と奮闘し、当時はまだGIIだった続く大阪杯(阪神・芝2000m)では、鮮やかな追い込みを見せて快勝。人気のGI馬たちを一蹴し、初の重賞タイトルを手にした。

 そのあとも、勝利こそ得られなかったが、重賞戦線で活躍。GI安田記念(東京・芝1600m)で2着と3着、GI宝塚記念(阪神・芝2200m)で3着になるなど、トップクラスで存在感を示した。

 最後は、レース中に故障。その後の闘病が報われずにこの世を去ってしまったが、同馬の切れ味鋭い走りがいまだ記憶に残っているファンも多いのではないだろうか。

 もう1頭は、2つ上の兄となるゴーフォザサミット(牡4歳/父ハーツクライ)。同馬は、昨年のダービートライアル、GII青葉賞(東京・芝2400m)を勝って重賞ウィナーとなった。本番のGI日本ダービー(東京・芝2400m)でも善戦するが、勝ち馬とコンマ4秒差の7着に終わった。

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