桜花賞へ「3強」も恐れぬアーモンドアイ。ゆっくり休んで末脚爆発! (2ページ目)

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • photo by Eiichi Yamane/AFLO

 牡馬混合の重賞戦のうえ、雨に見舞われて馬場状態はやや重という厳しいコンディションだった。さらに、アーモンドアイはスタートで出遅れ。絶望的な状況を強いられた。

 ところが、直線を迎えると、アーモンドアイは大外一気の末脚を炸裂させる。重賞実績のある牡馬たちでさえ渋った馬場に苦しむなか、1頭だけ次元の違う走りを見せて快勝したのだ。

 このレースぶりから、一躍桜花賞の主力候補に浮上。冒頭で記した3頭を脅(おびや)かす、強力なライバルと目されている。

 そもそもアーモンドアイは、陣営がデビュー前から期待していた1頭だった。関東競馬専門紙のトラックマンがその様子を伝える。

「アーモンドアイの素質について、厩舎では当初から高く評価されていました。『調教をやればやるほど動くタイプ』と、スタッフは話していましたからね。

 シンザン記念のあと、桜花賞に直行することになりましたが、3月初めの時点で『体重は増え、体の張りもよくなって成長している』と、国枝調教師も好感触を得ています。このまま順調にいけば、『GIでも十分にやれる』と見込んでいるようです」

 シンザン記念を見れば、その能力に疑う余地はない。ただ気になるのは、そこから3カ月の休みを挟んで桜花賞に挑むローテーションだ。

 これについて、先述のトラックマンがその背景を説明する。

「2戦目を勝ったあと、少し体の回復に時間がかかって、当初予定していたレースを使わずに休養に入りました。その経験を踏まえて、シンザン記念を勝ったあとも、無理のないローテーションを選んだようです。調教できちんと仕上がるタイプなので、陣営は『休み明けでも存分にパフォーマンスを発揮できる』と強気な姿勢を見せています」

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