皐月賞に挑む牝馬ファンディーナ。最大の不安は「負けを知らぬこと」 (3ページ目)

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki  photo by AFLO


 そして、前走のGIIIフラワーカップ(3月20日/中山・芝1800m)。1000m通過61秒1と、それまでより速い展開となったが、スッと2番手を追走。4コーナーで早めに仕掛けると、難なく後続を突き放し、ほぼ馬なりのまま5馬身突き放す大楽勝だった。勝ち時計の1分48秒7は特段速いものではないが、最後は追っていないだけに、全力で走ればもっと速いタイムは出ただろう。

 全3戦を振り返ってみたが、競馬のレースを分析する際は勝ち時計だけでなく、上がり3ハロンのタイムや、"どれだけ強く追っていたか"などを見るのが重要。全3戦の勝ちタイムだけを見るとそれほど凄いものではないが、1戦目と3戦目は楽な手応えで出した時計であり、2戦目は他馬を大きく上回る上がり3ハロンタイム。3戦すべてで非凡な能力を十分すぎるほど示している。

 最後に血統を見てみよう。父ディープインパクトは言わずと知れた三冠馬であり、5年連続JRAリーディングサイアーに輝く大種牡馬。母ドリームオブジェニーは不出走だが、いとこに米GI馬イモリエントがおり、牝系は名種牡馬マキアヴェリアン、凱旋門賞馬バゴ、さらにはデインヒル、ノーザンダンサー、ヘイローなど競馬史に残る名種牡馬を送り出した、世界的な名門ファミリーである。名馬となるに相応しい血統馬と言えるだろう。

 もちろん、皐月賞はこれまでの3戦に比べ、相手のレベルも格段にアップする。しかし、時計面からもレースぶりからも十分クラシック級の力を示しており、皐月賞を勝っても不思議ない実力馬であることは確かだ。

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