藤田菜七子の1年目。「中央で6勝は全然足りない。自己採点は40点」

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu 倉元一浩●写真 photo by Kuramoto Kazuhiro

JRAのプリンセス、藤田菜七子インタビュー前編

 2016年、中央競馬から16年ぶりにデビューした女性騎手、藤田菜七子。3月のデビュー以来、常にその一挙手一投足に注目が集まった。ファーストシーズンは中央競馬での6勝に加え、地方競馬でも8勝を挙げ合計14勝の成績を残した。1年目の騎乗を終えて、藤田騎手は自身をどのように振り返り、評価するのか。そして、2年目のシーズンが始まり、何を思うのか。その心境を聞いた。

ボートレースでのトークイベントに登場した藤田菜七子騎手ボートレースでのトークイベントに登場した藤田菜七子騎手
――まず、月並みですが、昨年3月にデビューをして約10ヶ月。藤田騎手としては、この間をどう感じていますか?

「あっという間、というのが率直な感想です。毎日毎日やること、覚えることが多くて、それをこなしているうちに、気がついたら最初のシーズンが終わっていた。本当に早かったなという感じです」

――デビュー1年目、自己採点すると何点ですか?

「うーん(少し考えて)、100点満点で40点ぐらいですね。60点減点での40点ではなく、自分がデビュー前に思っていたうちの4割ぐらいできたかな、という意味での40点です」

――その4割というのは?

「まず、1年通してケガなく乗り切れた、という点ですね。ケガをしてしまっては、元も子もなくなってしまいます。そういった意味では、まずは1年間しっかり乗ることができたことは評価したいです。もちろん、乗せてくれた調教師さんや馬主さんあってのことですから、そこは感謝しきれません。
 
 ただ、なかなか思うようにできなかった、難しいなという思いも強いですね。そういった意味では40点が自己評価の上限です」

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