有力4歳馬ひしめくジャパンCで、この「5歳馬」が2着に飛び込む

ダービージョッキー
大西直宏が読む「3連単のヒモ穴」

 今週は東京のクラシックディスタンスを舞台にして、国内最高賞金(1着3億円)のレースであるジャパンカップ(11月27日/東京・芝2400m)が行なわれます。

 1981年に行なわれた第1回では、僕は当時まだデビュー2年目の減量騎手でした。にもかかわらず、騎乗チャンスをいただき、非常に貴重な経験をさせてもらいました(※ゴールドスペンサーに騎乗し、日本馬最先着の5着)。

 そのときは、外国馬と日本馬との間に大きな実力差を感じたものですが、近年のジャパンCは逆に、日本馬が上位を独占するレースが続いています。日本馬のレベルアップと同時に、本当に強い外国馬の参戦が減ってきたこともその理由だと思いますが、今年もその流れに変わりはなさそうですね。

 一方で、ジャパンCと言えば、秋の東京を締めくくる大一番にして、天皇賞・秋(10月30日/東京・芝2000m)、有馬記念(12月25日/中山・芝2500m)とともに、いわゆる秋の「古馬三冠」を構成するレースのひとつです。そのため、例年は天皇賞・秋からこのレースに臨む馬が中心となるのですが、今年は少し様子が違います。

 今年のメンバーで前走が天皇賞・秋だったのは、たったの2頭。勝ち馬のモーリスはさすがに2400mの距離が長いと見て香港に向かい、3着ステファノス、4着アンビシャスらも同様に、距離延長を考慮してジャパンC出走を見送ったようです。

 代わって人気を集めそうなのが、キタサンブラック(牡4歳)とゴールドアクター(牡5歳)です。前者は京都大賞典(10月10日/京都・芝2400m)から、後者はオールカマー(9月25日/中山・芝2200m)からジャパンCに直行してきました。

 これら2頭は、天皇賞・秋の2000m戦は「距離が短い」という判断だったのでしょうが、一流馬は秋の「古馬三冠」を戦うもの、という習慣は今や崩れつつあるのでしょうね。

 そうした状況にあっても、今回まず注目したいのは、王道路線となる天皇賞・秋から参戦してくるリアルスティール(牡4歳)です。正統派のローテーションにも好感が持てます。

 天皇賞・秋では7番人気と評価を落としていましたが、これは毎日王冠(10月9日/東京・芝1800m)を体調が整わず回避したという情報が、必要以上に悪い印象をファンに与えてしまっただけでしょう。結果的には2着と好走して、力があることを改めて証明しました。

 もともともクラシック戦線で主役の一翼を担い、この春にはドバイの地でGI制覇を飾った実力馬です。あれくらいは走れて当然、という見方もできますね。

 今回は、鞍上がミルコ・デムーロ騎手からライアン・ムーア騎手に替わります。これは、さらにプラス材料と言えるのではないでしょうか。なにしろ、ムーア騎手とのコンビでドバイターフ(3月26日/芝1800m)を快勝。念願のGIタイトルを手にしたわけですからね。

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