もはや「荒れる」のが当然の天皇賞・春。狙える穴馬はこの3頭 (3ページ目)

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • 村田利之●撮影 photo by Murata Toshiyuki

 その観点からいくと、今年の出走馬からは3頭の穴馬候補が浮かび上がる。

3400m戦のダイヤモンドSを圧勝したトゥインクル3400m戦のダイヤモンドSを圧勝したトゥインクル 1頭目は、トゥインクル(牡5歳)だ。同馬は、2歳の6月にデビューしてから初勝利までに9戦を要して、以降も長い間下級クラスでもがいていた。そして今回、GI初挑戦となる。よって、人気になる可能性は低い。

 それでも、3走前に格上挑戦ながらGIIステイヤーズS(2015年12月5日/中山・芝3600m)で3着。前走のダイヤモンドS(2月20日)では2着に4馬身差をつけて快勝した。ステイヤーとしての資質を見せており、長距離適性なら、今回のメンバーでも上位だろう。前出の、ダイヤモンドSの勝ち馬ながら7番人気の低評価にとどまった、昨年2着のフェイムゲームの再現があってもおかしくない。

 2頭目は、アルバート(牡5歳)。こちらは、トゥインクルが3着となったステイヤーズSの勝ち馬で、同レースでは後続を5馬身突き放す圧勝劇を演じている。この勝ちっぷりから、3000m以上を得意とするのは明らか。その点については、母の父がステイヤーを数多く輩出してきたダンスインザダークという血統面での後押しもある。

 ステイヤーズSのあとは、有馬記念で11着、日経賞で4着と精彩を欠いている。そのため、今回は人気落ち必至である。だが、前出のエリモエクスパイアも直前の日経賞で10着と惨敗したあと、3000m以上の“得意舞台”で息を吹き返した。アルバートにも同様の大駆けが期待できるのではないか。

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