【競馬】NHKマイル、3連勝牝馬アルビアーノは主役を張れるか? (3ページ目)
「牝馬の中ではトップクラスの能力を秘めていますが、牡馬相手に府中マイル戦を逃げ切るのは至難の業です」
そう語るのは、デイリースポーツの豊島俊介記者だ。確かに、これまでの19回で牝馬は3勝を挙げているが、逃げ切り勝ちは一度もない。さらに、牡馬を含めても逃げ切り勝ちは昨年のミッキーアイル、12年のカレンブラックヒルの2頭のみで、いずれも圧倒的なスピードで押し切ったものだった。
思い出されるのが96年の第1回、先行力を武器に3戦無敗の牝馬ファビラスラフィンも1番人気に推されながら、迎えたこのレースでは直線でパッタリと止まり、14着に敗れていることだ。
アルビアーノが3戦いずれもスタート、あるいは道中から「逃げ」の形になった脚質については、フラワーカップのレース後に、気性面によるものではなく、他の馬とのスピードの違いであることを、木村調教師、柴山雄一騎手ともに強調していた。
「逃げなければダメな馬だとは思っていないし、なんなら他の馬にハナに立ってもらって、速いペースで引っ張ってもらうような形でも構わない。むしろその方がこの馬の力を発揮できるかもしれない」
という木村調教師の言葉からも、決して一介の逃げ馬ではないことが伝わってくるが、逃げることで他馬のプレッシャーを受け続けたくないという本音も垣間見える。
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