【競馬】香港国際競走で見えたアジア競馬の成長ぶり

  • 土屋真光●文・写真 text & photo by Tsuchiya Masamitsu

 2014年の国際競馬シーンの掉尾(ちょうび)を飾る香港国際競走が、12月14日、中国・香港特別行政区のシャティン競馬場で開催された。香港国際競走は香港カップ(2000m)をメインに、香港スプリント(1200m)、香港マイル(1600m)、香港ヴァーズ(2400m)の4つのGI競走が1日のうちに行なわれる、いわゆるカーニバル型開催の国際招待競走である。

 世界でも年々その存在感を高めており、昨年は過去最高の売り上げと、海外からの出走を記録した。日本からは飛行機で4時間程度という立地的な面もあって、日本競馬とも非常に密接な関係があり、これまでにもすべてのレースで合計8頭が勝利を挙げている。昨年、一昨年とロードカナロアが香港スプリントを連覇したことは記憶に新しい。

 この開催に、今年は日本から大挙10頭が遠征。そのうちマイネルラクリマ(牡6・父チーフベアハート/上原博之厩舎)は12月9日の調教中に故障を発症して戦線を離脱したものの、過去最多の9頭が今年最後の国際舞台へと挑んだ。

香港マイルで3着と健闘したグランプリボス。鞍上は岩田康誠騎手香港マイルで3着と健闘したグランプリボス。鞍上は岩田康誠騎手

 この大挙出走の背景には、実は香港国際競走もジャパンカップと同じような現象が起きはじめていることが要因のひとつと考えられている。ホスト国である香港調教馬のレベルが非常に高くなり、これまで積極的だった海外勢などがやや及び腰になってきているというものだ。どんなスポーツでも、レベルが拮抗すればするほど、ホームが利を受けやすい。

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