【競馬】ディープブリランテは種牡馬でも成功できるか
『パカパカファーム』成功の舞台裏
連載●第41回
2012年の日本ダービーを制したディープブリランテ。同馬はその秋、菊花賞を目指したが、レース直前に屈腱炎(くっけんえん/競走馬にとって「不治の病」と呼ばれる脚部の病気)を発症。無念の引退となった。生産者であるパカパカファームのスタッフたちは、一同にショックを受けながらも、ディープブリランテの未来、種牡馬としての活躍に期待を寄せた――。
今後はディープブリランテの子どもたちの活躍が期待される(写真はイメージ)。 2012年の3歳クラシック最終戦となる菊花賞(京都・芝3000m)。そのレースを目前にして、ディープブリランテの競走生活は幕を閉じた。同馬を生産したパカパカファームの代表ハリー・スウィーニィ氏は、その引退にひどく落ち込んだという。
「ディープブリランテは、まだまだ活躍できると思っていましたから。それだけに、ケガを負って仕方がないとはいえ、非常に残念でした。また、菊花賞の直前ということで、レース当日の観戦に行くスタッフもすでに決まっていて、みんな楽しみにしていたんです。その後に出た引退のニュースでしたから、スタッフたちもかなり落ち込んでいましたね」
中小牧場にとって、これほどの馬が出てくる機会は滅多にない。生産馬が走るGIレースを見に行けるチャンスなど、本当に貴重と言っていいだろう。そういった意味でも、ディープブリランテの引退は、スタッフたちに大きなショックを与えた。
しかし、必ずしも悲しいニュースばかりではなかった。引退と同時に、ディープブリランテは種牡馬入りすることが発表された。選ばれし馬だけが向かうことのできる、「第二のステージ」が与えられたのである。
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