【競馬】オークスでこそ狙える、ハープスターの「2番手」候補 (2ページ目)
もう一頭は、ハープスターと同じ松田博資厩舎の管理馬で、トライアルのフローラS(4月27日/東京・芝2000m).を制したサングレアル(牝3歳)です。
同馬は"女傑"ブエナビスタの半妹。それほどの良血馬であれば、普通は何としてもクラシック戦線に合わせたローテーションを組もうとするものです。ところが、さすがは名門厩舎。年明けの500万特別(1月5日/京都・芝2000m)で4着と敗れると、桜花賞出走をきっぱりと諦めて、思い切って休養させたのです。そしてその甲斐あって、姉のブエナビスタを彷彿とさせるような決め脚を見せてフローラSを快勝しました。
小柄な馬で、休み明けのフローラSでも414kgと、休養前より4kgほど減っていました。今回は中3週の競馬で、馬体重の増減が余計に気になりますが、もし馬体重が増えているようであれば、ハープスターを負かす可能性もあるかもしれません。それだけの期待を抱かせる"器"の持ち主だと思います。
成長著しいブランネージュ。オークスでも侮れない存在だ。 さて、今回の「ヒモ穴馬」ですが、ブランネージュ(牝3歳)を取り上げたいと思います。前走のフローラSでは2着と、前述のサングレアルの豪脚には屈してしまいましたが、実はこの馬自身、かなり強い競馬をしています。
サングレアルに限らず、フローラSはハイレベルなメンバーがそろっていました。しかもトライアル戦ですから、オークス出走権(上位3着まで)獲得を目指して、どの馬も必死でした。その分、レースは相当厳しい展開になったのですが、その中でブランネージュは、自ら動いて、勝ちにいく競馬に徹して、ゴール寸前まで粘ったのです。3着以下には1馬身以上の差をつけているだけに、サングレアルさえいなければ、"完勝"と言っていい内容でした。
また、ブランネージュは、一戦一戦消化するごとに、いい内容で、強い競馬を見せるようになってきています。今が、まさに成長期なのでしょう。したがって、フローラSで目一杯の競馬をしたことで、今回は"オツリ(余力)"がないように思われるかもしれませんが、オークスではさらに強くなっていても不思議ではありません。
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プロフィール
大西直宏 (おおにし・なおひろ)
1961年9月14日生まれ。東京都出身。1980年に騎手デビュー。1997年にはサニーブライアンで皐月賞と日本ダービーの二冠を達成した。2006年、騎手生活に幕を閉じ、現在は馬券を買う立場から「元騎手」として競馬を見て創造するターフ・メディア・クリエイターとして活躍中。育成牧場『N.Oレーシングステーブル』の代表も務め、クラシック好走馬を送り出した。
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