2014.04.08

【競馬】3歳クラシックを占う。今春の「隠しテーマ」は何か?

  • 阿部珠樹●文 text by Abe Tamaki
  • photo by Nikkan sports

ドラマチック春競馬(1)

 ウオッカがダービー(東京・芝2400m)を勝った2007年あたりから、日本の競馬は「牝馬」がけん引している。もちろん、牡馬でもオルフェーヴルのような怪物級の馬が出現しているが、その怪物を最高峰の舞台ジャパンカップ(2012年11月25日/東京・芝2400m)で破ったのも、3歳牝馬ジェンティルドンナ(現5歳)だった。

 ウオッカ、ダイワスカーレット、ブエナビスタ、ジェンティルドンナ(※)。3歳春のクラシックから古馬一線級の舞台に至るまで、近年のGI戦線で主役を担ってきた彼女たちは、いずれも競馬史を飾る"名牝"だ。

※ウオッカ=GI7勝(2007年ダービー、2008年天皇賞・秋、2009年ジャパンカップなど)。ダイワスカーレット=GI4勝(2007年桜花賞、エリザベス女王杯、2008年有馬記念など)。ブエナビスタ=GI6勝(2009年オークス、2010年天皇賞・秋、2011年ジャパンカップなど)。ジェンティルドンナ=GI5勝(2012年オークス、ジャパンカップ、2013年ジャパンカップなど)

チューリップ賞を圧勝したハープスター(左端)。歴史に名を刻む「名牝」となるか。 今年も、この系譜に加わりそうな牝馬がいる。牝馬クラシック(桜花賞→オークス)の大本命に挙げられる、ハープスター(牝3歳)だ。

 昨年の新潟2歳S(8月25日/新潟・芝1600m)では、最後方から驚異的な瞬発力を繰り出し、前を行く馬たちを一瞬にして抜き去って圧勝した。そんな鋭い末脚を持つディープインパクト産駒の彼女は、暮れの阪神ジュベナイルフィリーズ(2着。12月8日/阪神・芝1600m)こそ、苦しい進路を選んで勝ち切れなかったが(1着=レッドリヴェール)、桜花賞トライアルのチューリップ賞(3月8日/阪神・芝1600m)では、再び大外から前の馬たちをまとめてかわして快勝した。騎手が一度もムチを入れない完勝に、思わず背筋が寒くなった。

 あまりの強さに「ダービーを目指すのでは」という噂も流れたが、この春は、桜花賞、オークスと、牝馬クラシックの完全制覇を目指すハープスター。連勝すれば、秋には世界最高峰の舞台、凱旋門賞(10月5日/フランス)挑戦もオーナーサイドは視野に入れているそうだ。