【競馬】中山牝馬Sは「軽量」キャトルフィーユで勝負

ダービージョッキー
大西直宏が読む「3連単のヒモ穴」

 古馬牝馬の重賞、中山牝馬S(中山・芝1800m)が3月16日に行なわれます。

 馬にもよるのですが、牝馬というと、牡馬に比べてうるさい馬が多く、入れ込みやすかったり、輸送に弱かったりする馬が結構います。加えて、繁殖シーズン(およそ2月~6月)となるこの季節は、フケ(牝馬の発情)の期間でもあります。フケがくるとレースにも大きな影響を及ぼすため、人気の馬が敗れて、思わぬ結果になることがしばしばあります。そういう意味では、この時期の牝馬のレース予想というのは、かなりやっかいなものかもしれません。"フケの兆候"にしても、いつも馬のそばにいる人であれば、ある程度わかるのですが、ファンがそれを見極めるのは至難ですからね。

 それでも、同じ馬を何戦も見続けることで、何か変化を感じることは多々あります。「ここ数戦と違って、何かソワソワしているな」といった違和感を覚えたら、それは"フケの兆候"かもしれません。それで、実際にレースでも凡走したら「フケだった」と考えていいでしょうね。その感覚を覚えておけば、その後の馬券検討に大いに役立つと思います。それと、余談ですが、そういう馬は次走で、大敗から巻き返す可能性があります。そんなことをチェックしておくのも、競馬の面白さのひとつではないでしょうか。

 さて、繁殖シーズンに入る前とあって、例年この中山牝馬Sで引退する馬が数多くいます。昨年も、スマートシルエット、そしてエリンコートがレース後に引退を発表して繁殖入りしました。通常、牝馬の引退レースというと、あまり活躍するイメージはないのですが、この中山牝馬Sは意外と好走するケースが多く見られます。昨年のスマートシルエット(2着)をはじめ、一昨年のエオリアンハープ(3着)や、2009年のキストゥへヴン(1着)とダンスオールナイト(3着)、さらに僕がGIの舞台(2003年秋華賞5着)で騎乗させていただいたマイネサマンサ(2007年1着)も、中山牝馬Sで有終の美を飾りました。

 今年も、事前に「引退レース」と公表している馬が出走します。ノーブルジュエリー(牝6歳)です。

 ノーブルジュエリーは、前走の洛陽S(2月23日/京都・芝1600m)で初めてオープンレースを制しましたが、もともと能力のある馬で、デビュー当時は「桜花賞の有力候補」と言われていました。新馬戦(2010年12月8日/阪神・芝1400m)では、後続に9馬身の差をつける圧勝劇を演じて、2戦目のエルフィンS(2011年2月5日/京都・芝1600m)では、のちの桜花賞馬マルセリーナの2着と奮闘しましたからね。

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