【競馬】ディープブリランテの母は「美人だった」
『パカパカファーム』成功の舞台裏
連載●第25回
パカパカファームを語るうえで、2012年の日本ダービーを制したディープブリランテの存在は欠かせない。同牧場の名を広めたことはもちろんのこと、代表のハリー・スウィーニィ氏がこだわり続けた血統でもあるからだ。この連載ではこれから、パカパカファームの最高傑作であるディープブリランテの誕生から、同馬が競馬界最高峰の栄誉を手にするまでの、知られざる舞台裏を詳細に綴っていく――。
広大な牧場で過ごし、美味しいそうに水を飲んでいたパカパカファームの生産馬たち。
2013年現在、パカパカファームには、同じ一族の繁殖牝馬が6頭繋養(けいよう)されている。一族とは、フランス生まれの牝馬バブルカンパニーの子孫たちだ。そのうちの一頭に、日本ダービーを制したディープブリランテ(父ディープインパクト)の母、ラヴアンドバブルズがいる。
「ラヴアンドバブルズは、現役時代をフランスで過ごし、GIIIのレースを勝つほどの活躍を見せました。そのときから、この馬の繁殖牝馬としての可能性に期待していましたね。バブルカンパニーの血を持つ牝馬が日本で活躍馬を輩出していましたし、彼女の馬体を見ても、良い母になると思いましたから」
血統背景はもちろん、ラヴアンドバブルズの馬体や雰囲気からも、パカパカファームの代表であるハリー・スウィーニィ氏は、繁殖牝馬としての能力を感じとったという。
「ラヴアンドバブルズの馬体について、その素晴らしさを言葉で語るのは少し難しいかもしれません。例えば、『美人とはどういう人か?』というのを言葉で説明するのは難しいですよね。それと似ています。いずれにせよ、ラヴアンドバブルズは美人だと思います。といっても、GIを勝ったり、セリ市で億を超えたりするような"一流の美人"ではないかもしれません。"そこそこの美人"という表現が正しいでしょうか(笑)」
スウィーニィ氏は冗談を交えながら、ユニークにラヴアンドバブルズの印象を語った。
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