【競馬】凱旋門賞へ「パーフェクト」。オルフェーヴルが前哨戦で見せた「進化」

  • 土屋真光●文 text&photo by Tsuchiya Masamitsu

9月16日にフランス・ロンシャン競馬場で行なわれたフォワ賞を快勝したオルフェーヴル。9月16日にフランス・ロンシャン競馬場で行なわれたフォワ賞を快勝したオルフェーヴル。 日本調教馬として悲願の凱旋門賞制覇へ(今年は10月7日開催)。三冠馬オルフェーヴル(牡4歳)が、凱旋門賞と同じコース(フランス・ロンシャン競馬場)、同じ距離(芝2400m)で行なわれる前哨戦、フォワ賞に出走した。

 初の海外遠征に加えて、ひと夏を越えての復帰戦、初コンビとなるクリストフ・スミヨン騎手との相性、さらに逸走の悪夢がまだ思い出される大外枠からの発走と、さまざまな課題を持ってレースを迎えたが、結果は同世代の地元フランスのGI馬ミアンドル(牡4歳)に1馬身差をつけての勝利。100点満点と言えないまでも、合格点を大きく上回るパフォーマンスを我々に見せてくれた。

 世界最高峰のレースを制するためには、これまでのオルフェーヴルよりも、もうワンステージ上へのレベルアップが求められる。それは、阪神大賞典での逸走(2着)や、天皇賞・春での不可解な敗戦(11着)を考えれば、現状のままでいいと思えないのは至極当然のこと。言い換えれば、これまでと違うオルフェーヴルをいかにこのレースで見せられるか、というのも試験の課題に含まれていた。

 スタートではやや立ち遅れたものの、鞍上のスミヨンはロスを最小限に収めて、スッと馬群の後方フィオレンテ(牡4歳/アイルランド)の外につける。さらに僚馬アヴェンティーノ(牡8歳)が、ペースメーカーとしてあえて本番を見据えたスローペースでレースを引っ張ると、当然のようにこのペースを嫌ったオルフェーヴルは頭を上げて気の悪さを見せた。

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