イラク戦大勝だからこそ考えたい、ハリルJの問題点

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki photo by Fujita Masato

6月特集 ブラジルW杯から1年 ~日本代表と世界はどう変わったのか?~(2)

 90分間、中だるみのない試合に遭遇することは滅多にない。だが、イラクのコンディションやメンバー等、彼らのアウェーでの言い分を勘案すると、今回の4-0というスコア及び試合内容に満足することはできない。

「もっと取れた」、「もっとやれるはず」。試合後、ハリルホジッチ監督はそう述べたが、少なくともその言葉に、僕は全面的に同意する。

3点目をあげた岡崎慎司(右)と宇佐美貴史3点目をあげた岡崎慎司(右)と宇佐美貴史 日本代表はどこがどうなればもっと良くなるのか。もっとチャンスの数は増えるのか。コンスタントによいプレイを披露することができるか。言い換えれば、問題点はどこなのか。

 背番号10、香川真司だと僕は思う。4-2-3-1で言うところの1トップ下。文字通りエースポジションだ。攻撃の軸。チャンスが決定的なものになるか否かは、その能力に負うところが大きい。だが彼はその軸になれなかった、この日もまた。

 日本は立ち上がり、両サイドから再三、素早い攻撃を仕掛けた。選手で言えば、宇佐美貴史(左)と本田圭佑(右)が目立つ動きをした。それに両サイドバックがいい感じで絡んだ。ペースを維持することができた一番の原因と言っていい。

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