【木村和久連載】寒いし、風も強くて苦労ばかり。それでも冬にゴルフをやるのはなぜか? (3ページ目)

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

 常夏の南の島は、寒さに耐える必要もなく、そこまで知恵を絞らなければいけない環境にはありません。ゆえに、4大文明は四季(雨季、乾季等の気候変化を含む)のある場所で起きているんですよね。

 同様に冬のゴルフは、最も頭を使わなければいけませんし、真の実力が試されます。

 ボールが上がらないライでどう攻めるか。グリーンが凍っている場合、どれぐらい手前からボールを運んでいけばいいのか。いろいろと考えることが多いですし、多彩な技術が求められます。

 そうしたことにチャレンジし、克服していくことで、人は成長し、進化していくのです。そういう意味でも、冬のゴルフをやる意義は大きいのではないでしょうか。

 だいたい丸一日ゴルフをやって、実際にショットを打つ時間は1時間もありません。残りの時間は同伴競技者のショット待ちと移動です。その間に、いろいろと考えることができます。その時間の使い方で、スコアメイクはどうにでもなるってことです。

(4)冬と夏、どっちが危険か?
 地球温暖化によって、最近は夏のゴルフもどうなのか、という状況になっています。一部では気温が40度近くまで上がって、「日中は外に出ないで」といった注意報が発令されたりしますからね。

 これはもう、ゴルフどころじゃありません。紫外線もキツくて、軽いやけどになる恐れさえあります。特に埼玉や栃木の内陸部はマジで危険な日がありますから、本当に気をつけたほうがいいです。

 じゃあ、冬はどうなのか?

 まず最近の傾向として、夏の気温が高くなると、その反動なのか、冬も寒かったりするので始末におえません。気温とは実に不思議なものです。実際、残暑も厳しかったこの夏、かなり寒い冬を迎えています。寒波襲来が多くて、日本海側では早くから記録的な大雪に見舞われました。

 ともあれ、そもそも冬には極寒の雪山などで行なわれるウインタースポーツがあります。その過酷さに比べたら、ゴルフのために日中屋外にいることは平気です。ただ、プレーするにはショットを打たなければなりません。そのたびに厚手の上着を脱いだり、手袋を外したり、面倒くさいことが増えるのは確かです。

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